不妊治療で仕事を辞める?「お金ない…」と後悔しないための方法は?

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不妊治療は心と体に負担がかかるだけでなく、金銭面など現実的な課題もあるのが特徴です。仕事と不妊治療を両立できていても、「いつか貯金が底をつくかも」と不安になる家庭は少なくありません。
また、不妊治療に専念するために仕事を辞めた結果、「お金がない」「子育てに必要な貯金ができない」などの悩みに直面することも。
本記事では、不妊治療とお金にまつわるお悩みを紹介していきます。各種制度を賢く活用しながら、不妊治療・仕事・将来的な育児をどう両立していくか、シミュレーションしてみましょう。
26.1%が不妊治療と仕事の両立を実現できず

厚生労働省の調査では、不妊治療を経験した方のうち26.1%(※)の方が「不妊治療と仕事を両立できない」と感じ、離職や働き方の変更を余儀なくされているとわかりました。
退職・転職・パートやアルバイトへの雇用形態変更・不妊治療自体の中止など決断内容は家庭ごとにさまざまですが、「両立できていればよかったのに」と感じる人は少なくありません。
両立が難しいと感じる理由についても、以下の通り調査結果が出ています。
(※)引用:令和5年度不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合的調査| 厚生労働省
当初は仕事をしながら不妊治療をする予定でいても、通院回数の多さや業務スケジュールとの兼ね合いで両立ができず、やむを得ず退職を決断する人もいます。
その他、体力的・精神的な負担が多く欠勤が増えたり、職場のサポートが得られずにストレスが増えたりする人も少なくありません。
「本当は仕事を続けたかった」と感じた場合、後々の後悔にもつながります。
不妊治療で仕事を辞めるデメリット

不妊治療が原因で仕事を辞めた場合、治療に専念できるメリットがある一方、デメリットもあります。
特にお金関連のデメリットが多くなるので、事前に以下の点に問題が生じないかチェックしておきましょう。
不妊治療に使えるお金が減る
仕事を辞めると、定期的な収入が途絶えます。
目先で必要な不妊治療の費用は全て貯金や配偶者の収入に頼ることとなり、治療費の捻出が難しくなるかもしれません。
不妊治療は、保険適用されたとはいえ、人によって数十万円から100万円以上の費用がかかる大きな治療です。
(※)引用:不妊治療の実態に関する調査研究 最終報告書|株式会社野村総合研究所
場合によっては500万円以上かかるため、金銭的な負担が重くなることも。
仕事を辞めて、夫婦二人で稼げていたときより収入が少なくなる以上、できる治療にも限りがでてくるでしょう。
「貯金が底をつきた」「これ以上の不妊治療は金銭的に難しい」という壁にぶつからないよう、退職後の生活や治療のスケジュールと照らし合わせて決断する必要があります。
教育費など将来への備えが減る
仕事を辞めると、収入減により「貯蓄に回す余裕」がなくなることも懸念されます。
退職後は、まず生活費と治療費の支出が最優先になるため、貯蓄や投資に回す余力が少なくなります。
結果的に、子どもの教育費・住宅ローン・老後資金など「将来に向けたお金」が確保できなくなる可能性があるので注意しましょう。
治療が長引いた場合、今ある貯金を想像以上に減らしてしまうケースも少なくありません。
子ども1人あたりの教育費は、公立で830万円程度、私立で2,300万円以上かかるとも言われています。(※)
不妊治療の後は出産・子育てが始まることを視野に入れ、無理のない資金計画にしていきましょう。
(※)参考:教育資金はいくら必要?かかる目安額をご紹介|日本政策金融公庫
生活費が足りなくなる
不妊治療に専念する目的で仕事を辞めると、生活費が足りなくなるリスクが高まります。
失業保険を使う場合でも、自己都合退職の場合は1~3ヶ月待機後に支給されるため、すぐには生活費を補えません。
治療費と生活費との「ダブル支出」となるため生活費がひっ迫しやすく、最終的に「理想の生活を取るか不妊治療を取るか」など厳しい判断も求められるようになります。
医師と相談しながら不妊治療の費用を概算し、生活が無理なく回るかシミュレーションしていきましょう。
(※)参考:令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます|厚生労働省
出産手当金・育休給付金がもらえなくなる
会社を辞めると、出産手当金・育休給付金がもらえなくなることもデメリットです。
出産手当金は、産休中に給与の代わりとしてもらえる給付金です。
同様に、育休給付金も育児休業中に給与の代わりとしてもらえる給付金であり、いずれも「会社に籍がある(=健康保険・雇用保険に加入している)」ことが条件となります。
仕事をしていないと産休も育休もないため、出産手当金・育休給付金もありません。
出産育児一時金に限り、以下の条件を全て満たしている場合に申請できます。
- 妊娠4ヵ月(85日)以上の出産であること
- 資格喪失日の前日(退職日)までに継続して1年以上被保険者期間(任意継続被保険者期間は除く)があること
- 資格喪失後(退職日の翌日)から6ヵ月以内の出産であること
(※)引用:出産育児一時金について | よくあるご質問 | 全国健康保険協会
ただし、あくまでも「妊娠中に仕事を辞めた人向け」の制度になっていて、不妊治療中に退職した場合は「3.資格喪失後(退職日の翌日)から6ヵ月以内の出産であること」を満たせません。
出産・育児にかかる費用は原則として全額自己負担であることを承知しておきましょう。
キャリアが途絶える
仕事を辞めることは、キャリアの断絶にもつながるので注意が必要です。
ブランク(空白期間)が再就職に不利になるケースは多く、いざ再就職しようとしたときに理想の条件で転職できなくなる恐れがあります。
「パート・アルバイトの求人にしか合格できない」「ブランクがあるからと採用を見送られてしまう」など、退職前と同じような働き方ができないかもしれません。
「以前はできた仕事」が再就職時には通用しなくなっていると、いつの間にか自信も失ってしまいます。
年齢が上がっているとさらに選択肢が限られたり、仕事を通じて得られていた達成感や成長の実感がなくなって落ち込んだりすることもあります。
不妊治療で使える助成・補助

将来的に必要なお金や今後のキャリアを考えると、不妊治療はなるべく仕事と両立させるのが理想です。
不妊治療で使える助成金・補助金をフル活用し、仕事での収入は生活費や将来への蓄えに使って、金銭的な両立を目指しましょう。
健康保険(公的医療保険)
2022年4月から、日本では一部の不妊治療が保険適用となり、患者の自己負担が大きく軽減されました。
人工授精、体外受精、顕微授精などの生殖補助医療に健康保険証が使えるようになったので、原則3割の費用で治療を始められます。
治療開始時に女性が43歳未満である必要があるなど、一部条件がありますが、これから不妊治療を検討している方にとっては頼もしい制度と言えるでしょう。
特別な申請も必要なく、いつも使っている健康保険証をクリニックに提示するだけで完結するので、最も使いやすい制度として確立しています。
(※)参考:不妊治療が保険適用されています。|子ども家庭庁
高額医療費制度
高額医療費制度とは、不妊治療を含む保険適用の医療費が高額になった場合、自己負担額を軽減できる制度です。
1ヶ月あたり(同じ月・同じ医療機関)の医療費が一定の基準を超えると、上限を超えた分は後々払い戻しを受けられます。
事前に「限度額適用認定証」にを取得しておけば、クリニック窓口での支払いも上限額までとなるため、一度立て替える必要もありません。
特に体外受精・顕微授精など、高額になりやすい保険治療を検討している方は、利用を検討しておきましょう。
ただし、保険適用外の不妊治療には使えないので、全額自費での捻出が必要です。
(※)参考:高額な医療費を支払ったとき | こんな時に健保 | 全国健康保険協会
医療費控除
医療費控除とは、1月1日から12月31日までの1年間に支払った医療費のうち、一定額を超えた分を所得控除できる制度です。
控除が適用されると所得税や住民税が軽減されるので、年間の支出を減らす効果が期待できます。
自分が仕事を辞めていて所得税がない場合でも、生計が同一である家族(夫など)に所得があれば、その人が医療費控除を受けられるのがメリットです。
また、医療費控除で控除対象となる費用には、車・バス・タクシーによる通院費、処方箋に基づく薬代など治療費以外の項目も含まれます。
反対に、自己判断で購入した市販のサプリや健康食品、妊活セミナーの参加費などは申請できないので注意しましょう。
(※)No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)|国税庁
各自治体の助成制度
各自治体で同時に実施している助成制度を使い、不妊治療の金銭的な負担を軽減する方法もあります。
例えば、以下の市区町村で不妊治療に関する助成を実施しているのでチェックしてみましょう。
- 東京都:特定不妊治療費(先進医療)助成事業
- 新潟県胎内市:不妊・不育症治療費助成事業
- 奈良県平郡町:不妊・不育治療助成事業
- 熊本県菊陽町:一般不妊治療費助成事業
- 鹿児島県:離島地域不妊治療支援事業
具体的な助成内容は市区町村ごとに異なります。
東京都の「特定不妊治療費(先進医療)助成事業」の場合、保険診療で行った体外受精や顕微授精と併用して実施された自費診療についても助成を受けられます。
助成額は、「1回の治療につき、先進医療にかかった費用の10分の7まで(上限15万円)」、助成回数は保険診療の回数制限に準じて決定されるので、相談してみましょう。
先進医療特約(民間医療保険)
「不妊治療にかかる先進医療特約(民間医療保険)」は、公的保険が効かない高額な先進医療の費用をカバーできる保険です。
民間の医療保険にオプションとして付けられる特約の一種であり、保険料がかかりますが、いざ不妊治療をスタートするとなったときの頼もしい味方となるでしょう。
上乗せ保険料は月々100円~500円程度と安価なことが多く、商品によっては安い保険料で大きなリターンを得られる場合があります。
ただし、既に不妊治療中の人は加入できない場合が多いこと、全ての先進医療が対象ではないことに注意が必要です。
今現在加入している医療保険があれば、保障内容をチェックしてみましょう。
(※)参考:不妊治療として、先進医療を受けた場合、先進医療給付金は支払対象になりますか?|第一生命
【退職時に】失業保険
退職後に受け取れる「失業保険(雇用保険の基本手当)」は、次の仕事が見つかるまでの間の生活を支えるための給付制度です。
以下の条件を満たす人であれば、失業保険を受給できます。
- 雇用保険に一定期間加入していた(原則、過去2年以内に12ヶ月以上)
- 現在「失業中」である(退職済み)
- 働く意思・能力があり、求職活動をしていること
(※)参考:基本手当について|ハローワークインターネットサービス
不妊治療をしていても、就職の意思があり、週に1回以上ハローワークで求職活動を行っている場合は対象となるのがポイントです。
「治療と並行して働ける仕事(短時間・在宅など)を求めて転職中」「通院の合間に勤務できるスケジュールで求職活動中」という方は、失業保険の利用を検討してみましょう。
反対に、医師から安静指示が出ていて治療に専念する必要がある場合や、就職活動ができない・働く意思がないとみなされる場合は失業保険の対象外となります。
治療中で今すぐ働けないときは「受給期間延長申請」という制度を利用し、治療後に「求職活動できる状態」になってから失業保険の申請をすることも可能です。
不妊治療と仕事の両立を実現する方法

お金やキャリアについて考えるのであれば、不妊治療は仕事と両立させるのが理想です。
不妊治療と仕事を両立させる方法は多いので、まずは以下の手法を検討してみましょう。
どうしても両立に限界があるときは思い切って転職し、職場環境や働き方を変えるなど、後悔しない選択にしましょう。
今ある福利厚生を最大限活用する
不妊治療と仕事を両立するために、まず確認したいのが自社の福利厚生制度です。
会社によっては、以下のような「治療に役立つ制度」が既に整備されている場合があります。
- 時間単位での有給取得
- 不妊治療休暇制度
- 費用補助および貸付制度
- 残業免除
- 時短勤務(短時間勤務)へのシフト
- テレワークやフレックスタイム制度の適用
「テレワーク+フレックス+有給」など、複数の福利厚生を活用すれば通院・治療との両立が楽になるかもしれません。
採卵や移植などで突発的な通院が発生するときや、通院頻度が多くて休みを小刻みに取りたいときは、相談してみましょう。
時短勤務に切り替える
時短勤務は、育児・介護だけでなく通院・治療を目的に取得できる場合があります。
労働時間を短縮する方法なので、午前・午後に時間を空けて通院しやすくなるほか、フルタイム勤務よりも疲労が少なく、体調を保ちやすいのがメリットです。
無理のない勤務で欠勤リスクを減らせるので、「休みすぎて(遅刻・早退しすぎて)気まずい」ということも起こりません。
はじめから時短勤務を前提とした業務量に調整してもらうことができれば、残業や休日出勤の頻度も下がります。
ただし、治療目的での時短勤務をどの程度認めているかは、企業によって異なります。
まずは現状の制度を確認し、必要に応じて人事部や上司に相談してみましょう。
テレワークやフレックスを使う
テレワークやフレックスを使える会社であれば、治療のスケジュールや体調の波に対応しやすくなります。
例えばテレワークの場合、通院後すぐに自宅で業務ができるため、通勤ストレスがありません。場合によっては病院の待ち時間に軽い業務ができます(会社の規定によります)。
時間効率もよくなるので時短勤務にせずとも働きやすく、給与カットを避けるという意味でもおすすめです。
フレックスであれば、朝の通院後に遅れて出社(または夕方の通院に合わせて早退)も可能です。
朝イチや夕方の予約が取りやすくなる方法なので、ぜひ活用してみましょう。
休職を検討する
通院の頻度・心身への負担・治療スケジュールの不確定さで両立が厳しいと感じたときは、退職ではなく休職をする方法があります。
休職期間中は会社に籍を置いたままにできるので、妊娠・出産を迎えたときは出産手当金や育休給付金も対象になるのがポイントです。
万が一、不妊治療を断念するとなったときもすぐに復職でき、キャリアが断絶することがありません。
ただし、不妊治療を理由とした休職は、育児・介護と違い法的な義務はないため、会社ごとに適用可否が異なります。
休職中は無給になることがほとんどで、健康保険料なども自己負担が必要で、目先の収支が悪化しやすいのも事実です。
休職できる期間に制限がある会社も多く、まずは自社の就業規則をチェックしてみることが大切です。
不妊治療と両立しやすい会社に転職する
不妊治療と仕事の両立がどうしても難しい場合、思い切って不妊治療に理解のある会社へ転職する方法があります。
近年ではダイバーシティや健康経営の一環として、不妊治療を含むライフイベントに配慮した働き方を支援する企業が増えているので、確認してみましょう。
例えば、テレワークやフレックスがしやすい会社や、不妊治療休暇・短時間勤務などの制度が整っている会社にする方法があります。
その他、社内の人間関係が良く心理的なサポートをしてもらえそうな企業に転職するのも、心の負担を軽くする手法となるでしょう。
不妊治療中に転職するときの注意点
不妊治療中に転職するときは、以下の点に注意しましょう。
- 妊活中であると伝えることで内定率が下がる可能性が高い
- 転職後すぐに妊娠すると印象が悪くなる可能性が高い
- 転職活動中に妊娠すると転職しづらくなる可能性が高い
- 妊娠・出産後の働き方も考えて転職活動する必要がある
また、不妊治療やその後の子育てと両立しやすい企業の特徴を抑え、効果的な転職をする必要があります。
詳しくは以下の記事で解説しているので、ご参考ください。
不妊治療を理由に転職したワーママの体験談

実際に不妊治療を理由に転職を決意したワーママは多く、以下のような体験談が寄せられています。
- 妊活に期限を決めて転職を優先し、長期化することを防いだ
- ストレスフリーな会社に転職したことで不妊治療に集中できた
退職しないで仕事を続けてよかったと感じられた
- まずは妊娠出産を優先し、育休後に働きやすい会社へ転職した
具体的な体験談は、以下の記事で紹介しています。
まとめ|不妊治療と両立できる会社への転職はリアルミーキャリアへ!
不妊治療は心身ともに負担が大きいだけでなく、金銭的な負担ものしかかってくることが懸念されます。
将来に向けた蓄えや自分自身のキャリアプランを考えると、今の会社にいつづけるべきか、迷ってしまう方も多いでしょう。
リアルミーキャリアでは、不妊治療と仕事を両立したい方を対象に、カウンセリングを実施しています。
今の会社に残るべきか、不妊治療や子育てと両立しやすい会社に転職するべきか、一緒に考えていきましょう。