育休明けに異動を言い渡された!マタハラになる?拒否してもいいの?

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育休を終えて職場に復帰するとき、これまでとは違う部署や業務に配置転換されてしまったワーママは少なくありません。

「育休を取ったことが理由で異動させられたの?」「子育てとの両立が無理だろうからと一方的に配置転換されるのは納得できない!」とモヤモヤしてしまう人も多いでしょう。

本記事では、育休明けの異動・配置転換がマタハラになるのか解説します。実際の体験談や、マタハラに該当する事例にも触れるので、ご参考ください。

もくじ

育休明けに異動・配置転換を言い渡されることがある

育児休暇を終えて職場に戻るとき、「また今までのように仕事を頑張ろう」と意気込むママは多いです。

しかし、復帰のタイミングで部署異動や担当業務の変更など、配置転換を告げられることがあるので注意しましょう。

実際の育休明け異動・配置転換の事例

1.営業職から事務職に異動が決まり、顧客対応が減ってやりがいを失ってしまった

2.単純作業しかない部署に異動し、マミートラックに入ってしまった

3.十分な説明がないままプロジェクトリーダーを外されてしまった

4.全く経験がない部署に異動となり、育休明けに覚えることが多くてバタバタした

5.自宅から通えないエリアへの転勤を命じられた

営業職からデスクワークに移ったり、これまで重要な仕事を任されていた人が雑務中心の業務に変わってしまうケースも見られます。

実際に育休明けの異動をきっかけに転職を決めたワーママは多く、以下の記事でもまとめています。

あまりにも理不尽な異動・配置転換の場合、「育休を取ったことへの嫌がらせなのでは?」「一方的な決定で納得できない」と感じる方もいるでしょう。

ただし、すべてが悪意のある異動とは限りません。

会社として子育て中の社員に配慮し、なるべく負担の少ない業務を任せることで、無理なく働ける環境を用意しようとしている場合もあります。

特に、残業が多い部署や精神的・体力的にハードな業務は、育児との両立が難しいことも。

「復帰後も働き続けやすくするための配慮」として、時短勤務や定時退社に対応しやすいポジションへ異動させていることも多いです。

まずは異動・配置転換する理由を聞き、会社側の思いや狙いを確認してみましょう。

育休明けに異動・配置転換・転勤させるのはマタハラ?

結論からお伝えすると、育休明けに異動・配置転換・転勤させるだけではマタハラになりません。

会社には、社員が育児と仕事を両立できるよう、育休明けの社員の配置について配慮する「努力義務」があります。

働くママの負担を減らす目的で、忙しい部署から比較的ゆとりのある業務に異動させることは、むしろ会社としての配慮とも言えるでしょう。

また、会社員である以上、業務上の都合で異動・配置転換・転勤が発生する可能性は少なからずあります。

経営戦略や組織の見直しなどにともない、社員を「その人に合った場所」に配置し直すことも多いです。

企業には一定の範囲で異動を命じる権利が認められている以上、明らかに違法性がなければマタハラと認定するのは難しいでしょう。

参考:ストップ!マタハラ|群馬労働局

マタハラ・イクハラに当たらない事例

ワーママへの配慮として異動が決定したときや、育休明けかどうかを問わずやむを得ない異動であるときは、マタハラ・イクハラには当たりません。

「説得力のある異動理由か」「公平な判断か」をもとに考えてみるとわかりやすいです。

会社と本人が異動に納得しているとき

「本人から希望があって異動させた」「異動案に本人が納得している」という場合は、マタハラ・イクハラに当たりません。

例えば、「本人がもう少し業務負荷の少ない部署に異動したがっている」「全く未経験な部署への異動だが、本人が興味を持っている」という場合は、会社と本人で相談しながら異動を決められます。

また、異動が本人のキャリアプランと合致している場合や、業務の都合による異動でも十分に納得できる場合は、そのままスムーズに異動してよいでしょう。

納得できる異動案であれば不公平に感じることもなく、むしろ仕事へのやりがいや会社への愛着を深めるきっかけになるかもしれません。

業務上・経営上やむを得ない異動命令であるとき

業務上・経営上やむを得ない異動命令であるときも、ハラスメントには当たりません。

例えば、「どうしても〇〇部門の人手が足りないから、経験者であるあなたに異動してほしい」「経営が悪化していて〇〇支店を閉鎖することになったので、近くの別支店に異動してほしい」という事例が挙げられます。

育休明けであるかに関わらず、会社員である以上異動や配置転換はいつだって発生する可能性があると考えると、納得できます。

「育休明けだから」以外の明確な理由がある異動命令であるとき

「〇〇部門でスキルを磨いてきてほしい」「繁忙期だけでも〇〇支店に出向いてほしい」など、「育休明けだから」以外の明確な理由がある異動命令であるときも、ハラスメントではありません。

会社の経営方針や事業戦略に基づく異動であれば、「戦力としてカウントしてもらえている」と実感できる異動命令と言えるでしょう。

育休を取ったことが理由ではなく、組織の効率化や業務の最適化が理由であれば、一般的な異動命令と同じだと判断できます。

マタハラ・イクハラに当たる事例

育休明けに異動・配置転換・転勤させるだけではマタハラにならない一方で、「嫌がらせ目的の異動」や「明らかに不利な扱い」があったときはマタハラと認められることがあります。

異動を命じられたときは、以下に該当しないか慎重に確認しましょう。

育休明けであることを理由とした不当な扱いがあったとき

「育休明けであること」だけを理由に不当な扱いを受けた場合、マタハラやイクハラに当たります。

たとえば、「育休を1年取りたいと相談したら、会社が経営悪化を口実に解雇した」「妊娠前は契約更新をするつもりだったのに、妊娠を報告した途端に契約を打ち切られた」といったケースは、妊娠・出産・育児を理由にした不当な対応であると見なされます。

本人の申し出をきっかけに不利益な扱いを受け、しかも「産休・育休を取ったから(妊娠したから)」以外に納得できる理由がない場合は、マタハラやイクハラと判断されることがほとんどです。

ただし、すべてのケースがハラスメントに当たるわけではありません。

たとえば、本当に会社の経営が実際に厳しく、育休明け社員以外にも影響が出ているような場合や、契約更新の方針を変更せざるを得ない特別な事情があるときは、マタハラには当たらないと判断されることがあります。

明らかに不可能で嫌がらせに近い異動命令であったとき

現実的に考えて無理のある異動命令や、嫌がらせに近い異動命令が出された場合、「暗に自己都合退職を求めている」「わざと無理な条件を押し付けて不当な扱いをしている」と判断される可能性があります。

たとえば、転勤や異動がないはずの「地域限定職」の人に対して急に転勤を命じたり、片道3時間もかかる支店への異動を命じたりする場合、違法性があるかもしれません。

会社には、育休明けの社員に対して「育児と仕事が両立しやすいように配慮する努力義務」があります。

納得できる理由のないまま働きにくい環境に異動させることは、不当な取り扱いと言えるでしょう。

異動の有無と育休明けであることを関連づけた嫌がらせがあったとき

「育休を取って周りに迷惑をかけたのだから〇〇支店で修行してこい」「育休で仕事を休むような人を重要な営業部門には置いておけない」といった発言がされた場合は、明確なマタハラ・イクハラに当たります。

業務上の都合で異動させるなら違法ではありませんが、「育休を取ったことへの報復」としての異動は認められていません。

妊娠・出産・育児を理由に、本人にとって不利益な扱いをすることは、正当な理由がない限りハラスメントにあたり、違法行為と判断される可能性が高いです。

本人の事情ではなく「育休を取ったから」「迷惑をかけたから」といった感情的・差別的な理由で異動を命じることは、企業として正当性に欠けています。

法的にも認められていないので、違和感のある異動を命じられたときはまず理由を聞いてみましょう。

育休明けの異動・配置転換に納得できない!拒否できる?

育休明けの異動・配置転換が明らかに不当な理由からくるものであれば、拒否できる場合

があります。

例えば、「育休明けの人が戻ってくる席なんてないから地方に行ってくれ」「育休を取るような人はうちの部署に要らない」など、明らかなハラスメントが理由であれば強く拒否して問題ありません。

場合によっては人事や労働基準監督署など外部機関に相談しながら、ハラスメントの撤回を願い出てもよいでしょう。

とはいえ、配置転換自体が違法というわけではありません。

経営のための合理的な判断で下される異動命令であれば、大きな減給や不利益を伴わない限り、実際には拒否できないのが現実です。

「業務上の必要性があるか」「配置転換の目的は正当か」「従業員にどれだけ不利益があるか」などを客観的にチェックし、どうしても納得できないときも丁寧に相談するなど工夫しましょう。

参考:育児・介護休業法 不利益取扱いの禁止|厚生労働省男女雇用機会均等法 不利益取扱いの禁止|厚生労働省

育休明けに異動・配置転換したくないときの対処法

なるべく異動に応えたいと思っていても、通勤時間や家族のライフスタイルによっては「物理的に無理」「どうしても異動に同意できない」と感じることもあるでしょう。

育休明けに異動・配置転換したくないときは職場とじっくり相談し、それでも着地点が見つからないときは転職など環境を変えていく必要があります。

復職前に異動・配属先の希望を伝えておく

育休明けに異動の話が出る前に、できるだけ早い段階で、自分の希望を会社に伝えておくのが理想です。

会社側がよかれと思って異動案を作成しても、実際に働く本人の希望とズレている場合、どうしても違和感のある人事配置になってしまいます。

例えば、「育休前と同じ部署で働きたい」「異動することに問題はないが、子どもの送迎があるので通勤は片道1時間以内にしてほしい」など、自分の希望を具体的に伝えておきましょう。

とはいえ、できることはあくまでも「希望を伝えること」に留まるため、自分の希望だけで異動の有無を決めることはできません。

「この条件でなければ働き続けるのが難しい」というような譲れない条件がある場合は、しっかり明確に伝えておくことが重要です。

異動できない理由を伝えて配置見直しを依頼する

異動が難しい理由がある場合、理由を伝えて配置を見直してもらえるようお願いすることも可能です。

特に、人事異動の正式な発表(=本格的な通達)が出る前の内示段階であれば、まだ変更が間に合うかもしれません。

例えば、「どうしても保育園のお迎えに間に合わない」「子どもの世話で長距離通勤は難しい」といった物理的・現実的な理由を中心に伝えるのがポイントです。

「なるべく異動に協力したいがどうしてもできない理由がある」というスタンスにすると、会社側も協力的になってくれるかもしれません。

一方で、「嫌だから行きたくない」「今の職場が好きだから変わりたくない」など、感情的な理由だけを伝えるのはNGです。

会社側の事情を全く考慮しないような伝え方をしてしまうと、かえって印象が悪くなることもあるので注意しましょう。

どうしても同意できない場合は速やかに転職を検討する

どうしても異動に同意できない場合、転職を考えることも選択肢のひとつです。

物理的に不可能でなければ「一度異動してみる」という選択もありますが、「保育園の送迎に間に合わない」「どう頑張っても始業時間までに会社に着けない」など、現実的に働くことが難しい場合は、今の会社で働き続けるのは難しいでしょう。

また、会社側が配慮して異動先を決めてくれていたとしても、自分の希望やライフスタイルと大きく合わないと感じることもあります。

無理に在籍を続けるよりも、新しい職場を探す方が前向きな選択になるかもしれません。

ただし、会社によっては異動の内示から実際の異動までの期間が短いことも多く、転職期間がごく短期間に限定されてしまう場合があります。

「転職する」と決めたらできるだけ早く転職活動を始め、スムーズに次の会社へ移れるよう、準備を進めておきましょう。

育休明け異動が理由で転職する際の注意点

マタハラ・イクハラに該当しない異動命令であれば、「承諾して異動する」または「より良い環境を求めて転職する」選択肢があります。

復帰直前の面談で異動を言い渡され、その後すぐに転職活動を始めるなど時間が限られることが多いので、ポイントを抑えて効率よく転職先を決めましょう。

育休明け直後の退職・転職については、以下の記事で詳しく解説しています。

とにかくスピード転職を意識する

育休明けの異動がきっかけで転職を決めた場合、とにかくスピードが大切です。

内示から実際の異動までの期間が短い会社では、「2ヶ月以内に転職先を決めないと行き先がなくなる」というケースも珍しくありません。

速やかな転職活動ができないと、無理をして一時的にでも異動するか、転職先が決まらないまま退職するしかなくなります。

転職先が決まらないまま退職した場合、「保育園の継続利用ができず退園になってしまった」など、さらに転職しづらくなります。

収入が一時的にゼロになったり、将来の見通しを立てられなくなったりすることも多いです。

また、一時的に異動する場合でも、慣れない異動先での仕事と転職を同時並行で進めなくてはならず、転職活動が長引く可能性があります。

こうしたリスクを避けるためにも、「今のままでは難しい」と判断した時点ですぐに転職活動を始めるのがベストです。

ブランクをできるだけ作らず、スムーズに次の職場に移れるよう、できるだけ早く行動を起こしましょう。

大きな異動・転勤のない会社から優先して応募する

今後また同じような理由で転職を繰り返さないためにも、できるだけ異動や転勤の少ない会社から優先して応募することをおすすめします。

「単身赴任するのは現実的でない」「家族帯同で引っ越すのは、子どもの転園・転校も生じてハードルが高い」と感じる方が多いでしょう。

マイホームを購入した後では簡単に引っ越すこともできない上、ママが転勤になったからといってパパも一緒に引っ越せるとは限りません。

仕事にも子育てにも集中するためには、なるべく同じ場所で長く働き続けることが理想です。

職場環境やキャリアアップを求めて転職する場合でも、最初から大きな異動や転勤がない会社を選ぶ方が、家族全体の生活が安定しやすくなります。

まずは、応募の時点で異動や転勤の有無、転勤がある場合の勤務地などを確認しておきましょう。

入念に確認しておくことで、入社後に「こんなはずじゃなかった」と後悔するようなミスマッチを防げます。

応募先でのキャリアプランをシミュレーションしておく

急いで転職をするときは、どうしてもキャリアプランまで考える余裕がなくなりがちです。

しかし、キャリアプランを二の次にして転職してしまうと、「思っていたような働き方ができなかった」「家から近くて働きやすいがやりがいやモチベーションにはつながらない」など、違和感のある転職になってしまうので注意しましょう。

長く働くためには、応募先でどんなキャリアを築いていけるのかをしっかり考えておくことが大切です。

例えば、「5年後・10年後に自分がどんな仕事をしていたいか」「どこで働いていたいか」をイメージしてみましょう。

キャリアプランのシミュレーションが具体的だと、身につけておくべきスキルや今理想とする働き方も見えてきます。

また、異動の可能性がある会社に応募する場合は、希望する職種や勤務地だけでなく、他の支店や部署の情報もチェックしておくと安心です。

応募先のロールモデルや異動事例を確認しておく

応募先企業で活躍している人の事例(ロールモデル)や、実際の異動の事例を確認しておくと、転職後の働き方が具体的にイメージできます。

例えば、以下のようにさまざまな働き方をしている人たちの姿を見ておくことで、「自分の場合はどうだろう」とシミュレーションしやすくなります。

  • ずっと同じ地域で働き続けている人
  • 全国各地を異動しながらキャリアを積んでいる人
  • 自分と同じように子育てしながら働いているワーママ
  • 女性で役職に就いている人(女性管理職や役員)

たとえ自分が目指す理想像とは違っても、一度チェックしておくことで、「こんな働き方もあるんだ」「自分にもこういう選択肢があるかもしれない」と視野を広げるきっかけになります。

どんな働き方が可能な会社かを知り、共感できる会社を優先してみましょう。

保育園・小学校に影響しないよう転職する

育休明けに異動を命じられる頃には、既に復職の準備が整っていて、保育園の合否も出ているケースがほとんどです。

一度入園が決まった保育園を辞退してしまうと、次に預けられる保育園が見つかる保証もないため、できるだけ子どもの保育園や小学校に影響が出ないように転職を考えましょう。

まずは、保育園の登園時間・退園時間(小学校の登下校時間)、職場から保育園・小学校までの距離などを確認します。

通勤時間・勤務時間・勤務日(曜日)など、基本的な条件をしっかり整理しておけば、最低限求める条件を満たす会社も選びやすくなります。

まとめ|育休明けの異動に納得できないときはリアルミーキャリアへ

育休明けは意外にも異動・配置転換が多いタイミングで、「思っていた部署に戻れなかった」「やりがいのある仕事を失ってしまった」などモチベーションの低下も起こります。

物理的に通勤できないエリアへの転勤や、育休を理由とした不利益な異動を命じられたときは、会社への不信感も高くなるでしょう。

どうしても異動命令に納得できないときは、思い切って転職し、育休明けでも働きやすい環境に移ることを検討しましょう。

リアルミーキャリアでは、育休明け前後のスピード転職をサポートしています。

ワーママの転職に強いエージェントなので、ワーママとしての働き方や家庭との両立についても、お気軽にご相談ください。

異動や転勤の不安なく、目の前の仕事に集中できる環境を探し、納得度の高い育休復帰を果たしましょう。

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