産休明けの転職体験談|育休復帰後に働き方を変えた3人の事例
産休明けの転職は可能ですが、勤務時間だけで求人を選ぶと通勤や保育園のお迎え、急な呼び出しへの対応で無理が生じることがあります。
なお、一般的に「産休明け」には産後休業後と育休復帰後の両方が含まれますが、この記事で紹介するのは、産前産後休業に続けて育児休業を取得し、職場復帰後に転職活動を始めた事例です。
転職制度や保育園、育児休業給付金の詳しい説明は、育休明けの転職時期と保育園・給付金の注意点で確認できます。本記事では、復職後に何が転職のきっかけになり、どの条件を見直したのかに絞って紹介します。
※事例は、本人が特定されないよう氏名などを変更しています。
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「産休明け」と「育休明け」は休業の時期が異なる

「産休」と「育休」は別の制度です。
産休は産前休業と産後休業を合わせた呼び方で、産前休業は出産予定日の6週間前から、産後休業は原則として出産翌日から8週間です。双子以上の場合、産前休業は14週間前から取得できます。
育児休業は、原則として1歳未満の子どもを養育するために仕事を休める制度です。産後休業から続けて育児休業を取得する方も多いため、検索時には育休復帰後のことを「産休明け」と表現しているケースがあります。
| 呼び方 | 対象時期 | 本記事での扱い |
|---|---|---|
| 産休明け | 産後休業が終わった後 | 検索時に使われる言葉として説明 |
| 育休明け | 育児休業が終わり、復職する時期 | 事例が実際に転職を検討した時期 |
産後休業の8週間のうち、産後6週間は原則として就業できません。産後6週間を経過し、本人が希望した場合は、医師が支障ないと認めた業務に就くことができます。産後すぐの転職を考えている場合は、転職活動だけでなく、体調や就業可能な時期も踏まえて判断してください。
育休復帰後にリアルミーキャリアで転職した3人の違い
3人が転職を考えた理由は異なります。Iさんは復職後の仕事への違和感、Jさんは職場環境とのミスマッチ、Hさんは引っ越し後の長時間通勤がきっかけでした。
| Iさん | Jさん | Hさん | |
|---|---|---|---|
| 年代・職種 | 30代・営業職 | 30代・広報職 | 30代・エンジニア |
| 子ども | 9歳・3歳 | 乳幼児 | 5歳・1歳 |
| 活動開始 | 育休復帰後すぐ | 育休復帰後 | 育休復帰後 |
| 主な理由 | 復職後仕事を楽しめなくなった | 業務・職場環境とのミスマッチ | 出社回帰で通勤時間が増えた |
| 優先した条件 | 営業職、リモート、生活との両立、通勤時間 | 制度を実際に利用しやすい環境 | 経験を活かせる仕事、リモート、フレックス |
| 転職後 | 正社員 フルタイム フレックスあり フルリモート | 正社員 時短 フレックスあり 週3テレワークOK | 正社員 フルタイム フレックスあり ほぼリモート |
実録:育休復帰2週間後に転職活動を始めたIさん
Iさんは、9歳と3歳の子どもを育てる30代の営業職です。平日の家事・育児を主に一人で担いながら、育休復帰から2週間後に転職活動を始め、約2か月で転職先を決めました。

Iさん(30代/神奈川県)
子供: 9歳・3歳(平日はワンオペ育児)
職種: 営業職
転職活動期間:2ヶ月(育休明け2週間でスタート)
転職前の働き方:出社&リモート/時短
転職後の働き方:フルリモート/フルタイム

Iさん(30代/神奈川県)
子供:9歳,3歳(平日ワンオペ)
職種:営業職
転職活動期間:2ヶ月
転職前:出社&リモート/時短
転職後:フルリモート/フルタイム
| 転職前 | 転職後 | |
|---|---|---|
| 職種 | 営業職 | 営業職 |
| 勤務時間 | 時短勤務 | フルタイム |
| 働く場所 | 出社・リモート併用 | フルリモート |
| 通勤 | 片道約1時間30分 | 原則なし |
転職のきっかけは、復職後に仕事を楽しめなくなったこと
Iさんは、育休前には仕事にも会社にも愛着があり、高い意欲を持って働いていました。ところが、第二子の育休から復帰すると、以前のように仕事を楽しめなくなったといいます。
子育てと仕事の両立が忙しいことだけが理由ではありません。「以前は好きだった仕事なのに、復職後は気持ちがついてこない」。その違和感を抱えたまま働き続けるのではなく、今の生活に合う環境を探そうと考えました。
すぐに退職したのではなく、まず求人を見て、自分の経験を活かせる選択肢があるかを確認しています。結果として、復職から2週間後に転職活動を始めました。
昼休みと通勤時間を転職活動に充てた
Iさんは、平日にまとまった活動時間を取ることが難しい状況でした。そこで、面接、情報収集、家事を次のように組み替えています。
- 面接は昼休みにオンラインで受ける
- 片道約1時間30分の通勤時間を求人確認や連絡に使う
- 平日の掃除は減らし、週末にまとめる
- 料理は手間のかからない内容にする
すべてを普段どおりに続けながら転職活動を追加するのではなく、活動期間中は優先順位を決めました。転職支援サービスとの連絡も、駅まで歩く時間や保育園のお迎え前など、短い空き時間を使っています。
家事を減らす、昼休みに面接を入れるといった方法が、すべての方に合うとは限りません。Iさんの事例で参考になるのは、限られた時間を「面接」「情報収集」「連絡」に分け、短時間で進められる作業を明確にしたことです。
求人選びでは、譲れない条件を4つに絞った
Iさんは当初、SaaS企業の営業職などを候補にしていました。しかし、仕事内容、年収、働き方のすべてを希望どおりにするのではなく、次の4条件を優先しています。
- 仕事と生活のバランスを保てること
- リモートワークを利用できること
- 通勤時間を片道1時間以内に抑えられること
- 営業職として経験を活かせること
年収や事業領域には調整の余地を持たせつつ、「生活を続けられる条件」と「今後も続けたい仕事」は残しました。条件を4つに絞ったことで、求人を比較する基準が明確になっています。
フルリモートに変わり、フルタイム勤務を選べるようになった
転職後、Iさんはフルリモートの営業職として、フルタイムで働いています。往復約3時間の通勤がなくなったことで、通勤に使っていた時間を仕事や子どもとの時間へ振り分けられるようになりました。
時短勤務を続けることだけが、育児と仕事を両立する方法とは限りません。Iさんの場合は、勤務場所を変えたことでフルタイム勤務が選択肢になりました。ただし、同じ働き方がすべての家庭に合うわけではなく、仕事内容や家族の状況によって判断は変わります。
Iさん転職してみて、前職のストレスレベルが100だとしたら、今は10くらいになりました(笑)!
フルリモートになったことで、小学生の子どもとのコミュニケーションがすごく増えました。登校前に焦って出社することもないし、下校後に留守番をさせる心配もなくなって、本当に心が安定しています。
それに、往復3時間かかっていた通勤時間がなくなった分を仕事に充てられるので、時短ではなく「フルタイム」で働けているのも嬉しい変化です。
復職後のミスマッチをきっかけに転職したJさん

Jさん・30代・東京都
正社員・広報
子供1人
Jさんは、産前産後休業と育児休業を経て、以前と同じ部署へ復職しました。復職前には通勤や保育園の送迎を確認し、仕事へ戻ることを楽しみにしていたそうです。
ところが、休業中に業務フローや使用ツールが変わっていたことに加え、子どもの体調不良による早退や欠勤も重なりました。保育園のお迎えに合わせて退勤するたびに同僚へ仕事を引き継ぐ状態が続き、以前のように働けないことを負担に感じるようになります。
Jさんは先に退職せず、在職中に転職活動を開始しました。求人を比較するときは、「フレックス制度あり」「テレワーク可」という記載だけでなく、子育て中の社員が実際に制度を利用しているかを確認。最終的に、フレックスやテレワークを利用しやすい職場へ転職しました。
Jさんの事例から分かるのは、制度の有無と利用しやすさは別だということです。利用開始時期、部署ごとの運用、突発的な残業への対応まで確認すると、入社後の働き方を想像しやすくなります。
Jさん子育てのブランクを作らずに転職したいと思って情報収集を始めましたが、どこから手をつけていいのかわからず不安でいっぱいでした。
そんなとき、ワーママ転職に強いエージェントの存在を知りました。
転職エージェントの方が私の希望やライフスタイルを丁寧に聞き取ってくれたので、「どんな企業を探すべきか」「仕事に何を求めているか」など、話しながら少しずつ自分の考えを整理できた気がします。ヒアリングが終わると、子育てとの両立がしやすい求人を数多く紹介してくれたので、一石二鳥でした。
また、応募書類の書き方、面接対策も親身にサポートしてもらえて、安心して活動を進められました。無理に急ぐのではなく、自分のペースでじっくり企業を見極めることができたのも大きなポイントです。
急いで転職することもできましたが、前職に待遇面での不満はなかったので、とにかく居心地の良さと制度利用を重視することに決めました。子育てしながらの転職でも頼れるパートナーがいて、非常に心強かったです。
引っ越し後の長時間通勤を見直したHさん

Hさん・30代・埼玉県
正社員・エンジニア
子供2人
Hさんは、第2子の出産を機に家族で引っ越しました。新しい生活環境は子育てをしやすい一方、勤務先まで片道90分以上かかるようになり、保育園の送迎と仕事を両立する負担が増えました。
家事代行やファミリーサポートセンターなども利用しましたが、仕事、通勤、家事、育児に転職活動が加わり、自分ですべての求人を比較する時間を確保できませんでした。そこで、求人の絞り込みや面接日程の調整について転職支援サービスへ相談しています。
Hさんは、通勤時間を減らすことだけでなく、エンジニアとしての経験を活かせる仕事、リモートワークの頻度、フレックス制度の利用条件を合わせて確認しました。最終的に、ほぼリモートワークとフレックス制度を利用できるIT企業へ転職しています。
Hさんの事例では、「引っ越したから仕事を辞める」と決めるのではなく、通勤時間と仕事内容の両方を転職条件にしたことが特徴です。
Hさん出社が必要な日は月に数回程度で、それ以外はリモートワークができるため、通勤ストレスから完全に解放されました。
フレックス制度もあるため、保育園の送り迎えや急な予定にも柔軟に対応でき、子供にゆとりを持って接することができるようになったのが何よりの変化です。
あのとき思い切って行動して本当によかったと心から思っています。仕事と家庭どちらかを犠牲にするのではなく、バランスを取りながら両立できる働き方ができるようになったことは、自分にとっても家族にとっても大きな転機となりました。
3人の事例から分かる求人選びの基準

3人に共通しているのは、単に「子育てに理解がある会社」を探したのではなく、現在の生活で負担になっている原因を、確認できる求人条件へ置き換えたことです。
転職理由を、求人条件へ変換する
「今の職場がつらい」という気持ちだけでは、次の会社を選ぶ基準が曖昧になります。現在の働き方で続けにくい理由を、確認できる求人条件へ置き換えましょう。
| 現在の悩み | 転職先で確認する条件 |
|---|---|
| お迎えに間に合わない | 終業時刻、突発的な残業、通勤時間 |
| 子供の体調不良時に気を使う | 子の看護等休暇、在宅勤務、中抜けの運用 |
| 時短でも仕事量が変わらない | 業務範囲、目標設定、評価方法 |
| 制度を利用しにくい | 利用者の有無、利用開始時期、部署ごとの運用 |
| 通勤が負担 | 出社頻度、勤務地、フレックスのコアタイム |
| キャリアの停滞 | 任される業務、評価基準、昇給・昇格の考え方 |
入社直後の時短勤務は、内定承諾前に確認する
3歳未満の子どもを養育する労働者に対し、会社は原則6時間の勤務を含む短時間勤務制度を設ける必要があります。ただし、労使協定がある場合は、継続雇用1年未満の人などが対象外になる可能性があります。
転職直後に時短勤務を希望する場合は、法律上の制度を利用できるかだけでなく、会社との個別合意によって入社時から短時間正社員として働けるかを確認してください。
産休明け・育休明けの転職活動前に整理したいこと

事例と同じ方法が、すべての方に合うとは限りません。応募前に次の項目を整理すると、自分に必要な条件を判断しやすくなります。
- 保育園のお迎えに間に合う最終退勤時刻
- 通勤に使える時間の上限
- 出社できる日数と在宅勤務を希望する頻度
- 残業や出張への対応範囲
- 子どもの体調不良時に頼れる人やサービス
- 現職で調整できることと、転職しなければ変えられないこと
- 仕事内容、収入、働き方のうち優先するもの
- 入社可能日と現職の退職手続きに必要な期間
条件は「必須」「希望」「調整可能」の3段階に分けます。すべてを必須にすると応募できる求人が少なくなり、反対に条件を曖昧にすると入社後に同じ問題が起きる可能性があります。
転職活動の時期、育児休業給付金、保育園への届出については、育休明け転職の進め方で詳しく解説しています。
産休明け・育休明けの転職に関するよくある質問
産休明けの転職では、生活上の課題を求人条件へ変えよう
産休明け・育休明けの転職では、「今の職場を離れたい」という理由だけで求人を選ばず、現在困っていることを具体的な条件へ置き換えることが大切です。
終業時刻、通勤時間、出社頻度、突発的な残業、制度を利用できる時期まで確認すれば、転職後の生活を想像しやすくなります。現職を続けながら活動する場合は、応募書類や面接に使える時間も含めて、無理のない計画を立てましょう。
求人票だけでは、入社直後の時短勤務や、テレワーク・フレックスの実際の運用を判断しにくいことがあります。自分の希望をどのように企業へ伝えるか迷う場合は、リアルミーキャリアへ相談することも選択肢の一つです。
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