育休明けに転職を検討するとき、「今すぐ転職すべき?」「それとも復職して半年から1年程度は最低でも働くべき?」と迷ってしまう方が多いです。
結論からお伝えすると、転職の意思が決まっているのであればすぐにでも動くのが理想です。
転職に最適な時期を逃さないためにも、会社へのダメージを最小限に抑えるためにも、早めの行動が吉となります。
今回は、育休明けの転職が早い方がよい理由について解説します。転職するときの注意点にも触れるので、迷っている方ほどご参考ください。
もくじ
冒頭でお伝えした通り、育休明け転職を検討しているのであれば早めに動くのがおすすめです。
「復職してしばらく経ってから…」と思っていると、転職の機会を逃しやすくなるので注意しましょう。まずは早めの転職をおすすめする理由を解説します。
早めに転職の意思を伝えることにより、業務を引き継ぐ手間を省けます。
特に、育休中の転職であれば引継ぎにかかる時間は最小限です。保有している社内資料や書籍を返し、産休開始前にできなかった引き継ぎだけを完了させれば問題ありません。
反対に、育休から復帰してしばらく働く場合、通常の転職時と変わらぬ引継ぎが必要です。
業務によっては1~2ヶ月かかったり、後任を新規採用できるまで引き留めに遭ったりすることもあるでしょう。
もちろん引き留めにあったからといって無理に退職時期を延ばす必要はありませんが、「十分に引継ぎできないまま辞めてしまった」というしこりが残るかもしれません。
スムーズに次の会社に移る環境を整えたい方こそ、早めの転職がカギとなるのです。
早めに転職をしておくと、新しい環境に馴染むのも早くなります。
ワーママが転職するときは、転職先の業務内容や職場の人間関係だけでなく、家事・育児のルーティンを早めに理解する必要があります。
現職と勤務時間も通勤ルートも変わる場合、プライベートの過ごし方も変わるので注意しましょう。
「子どもの小学校入学と転職が重なってつらかった」「自分の仕事をこなすだけで手一杯になり家事に手が回らなかった」という落とし穴があることにも要注意です。
早めに転職すれば、自分なりの生活スタイルを早期に構築できます。
また、転職先で活躍できる機会が増え、やりがいやモチベーションにつながりやすいので早めの転職にはメリットがあるのです。
仕事・育児・転職活動を両立するには、想像以上に時間がかかります。
現職での業務をそつなくこなしながら、夜は家事・育児に奔走する場合、どうしても転職活動は隙間時間もしくは休日にやるしかありません。
そのため、自己分析や企業分析に時間が取れない、応募先から提示された面接日に出向けない、思うように情報収集できない…など、さまざまなギャップに直面する人が多いです。
結果的に焦って転職先を決めてしまい、満足度が下がる可能性もあるでしょう。
時間のかかるワーママ転職だからこそ、早めに動くのがおすすめです。
理想に近い企業の求人と出会える可能性も高くなるので、転職を迷っていても情報収集だけは始めておきましょう。
復職後の期間が長くなると、引き留めに遭いやすくなります。
「新規人材を雇用・教育する余裕がない」「従業員の平均在籍期間を伸ばしたい」など、会社側にも理想の人事戦略があるものです。
会社への貢献度が高く人間関係が良好な人ほど引き留められやすく、退職日が定まらず交渉に苦戦することも少なくありません。
一方、育休明けすぐもしくは育休中の転職であれば、今まさに自分の業務を肩代わりしてくれている人が存在します。
そのため、「残念だが仕方ない」とあっさりあきらめてもらえるかもしれません。
「マナーとしては復職してしばらく働くのが当たり前」など風当たりが厳しくなる可能性もありますが、業務の引継ぎや採用効率を考えれば早めの転職が最適なのです。
ワーママが育休明けに転職・退職を検討する代表的な理由は、下記の通りです。
下記に該当する項目があれば復職後に少しずつ働きにくさを実感する可能性が高いので、転職をひとつの選択肢に加えながら、無理なく両立できそうかイメージしておきましょう。
復帰後に部署を異動する必要がある場合、仕事内容も勤務地も大幅に変わる可能性が高いです。
特に深刻なのは、産休前に在籍していた勤務地より遠方での勤務を命じられ、通勤時間が大幅に延びるケースです。
保育園のお迎えに間に合わず、想定以上に勤務時間を短縮しなくてはいけない可能性も高まります。
勤務時間が短いから基本給が下がる、急なお迎え依頼があっても保育園到着まで時間がかかる、通勤時間をもったいなく感じる、などデメリットが多くなるでしょう。
とはいえ、人事命令であれば強く拒むこともできず、そのまま遠方で勤務するか転職・退職するかを選択するしかなくなります。
復職面談の場で突然異動を命じられることもあるので、あらかじめ可能性のひとつとして知っておきましょう。
異動や配置転換の影響を受けて、復職後に仕事内容が変わってしまうワーママも少なくありません。
営業からエンジニアへ、マーケティングから秘書へ…など大幅な業務変更を伴う場合、仕事に慣れるまで苦労します。
元の仕事にやりがいを感じていた場合、職場からの配慮で異動した場合でもモチベーションが下がってしまうものです。
また、復職直後は家事・育児のルーティンに慣れておらず、つい寝るのが遅くなってしまいがち。
精神的にも身体的にも疲れが溜まり、「このままでは仕事との両立なんて無理…」と思い詰める原因になってしまうので注意しておきましょう。
時短勤務にしてもお迎えに間に合わない場合、転職・退職するしかありません。
同じ会社でパート・アルバイトに雇用形態を変更して働き続ける方法もありますが、給料や福利厚生などの待遇が大幅に下がること、キャリアが断絶されてしまうことを考えると得策ではないでしょう。
であれば無理なくお迎えに行ける会社に転職し、キャリア形成と育児のバランスを取るのが理想です。
そのため、復職前に送迎や帰宅後のルーティンを含めてイメージしておくことが重要です。
保育園に送ってから職場に向かって勤務開始時間に間に合うか、どれくらいの残業時間であればお迎えに間に合うか、休日出勤の頻度が高いか低いか…など複数の観点から復職後の生活をイメージし、無理が生じる場合は早めの転職を検討しましょう。
子どもの体調・都合に合わせて働き方を見直したくなった場合、転職・退職が頭をよぎります。
特に、子どもが体調を崩しやすく頻繁にお迎えやお休みが生じる場合や、子どもの療養支援が必要な場合は要注意。
小児科は18時前後までしか対応していないので仕事終わりの受診ができないこと、有給を取りながら頻繁に休みをもらって罪悪感が募っていくことも考えられます。
リモートワークやフレックスタイム制度など柔軟な働き方ができる会社であれば無理なく両立できることが多いので、転職を検討するのも自然な流れと言えるでしょう。
産休に入る前は復職するつもりでいても、いざ子育てが始まってみると予想外の出来事も多いもの。
復職してしばらく働きたい気持ちも大切ですが、自分のキャリアや家族のために環境を整えることも検討してみましょう。
転職情報を収集しているうちにより好条件の職場が見つかり、キャリアアップのために転職するワーママも増えています。
給料が高い・経験に見合った役職を与えてくれる・やりたかった仕事ができる求人が見つかれば、ためらわず応募してみましょう。
選考に通過すれば縁があったということなので、環境を変えて全力で働けば新たなやりがいが見つかります。
また、「働きやすい職場」が見つかったから転職した、というケースもあります。
福利厚生の充実度合い・パパ社員やママ社員の割合・円滑な人間関係など、よりストレスフリーに働けそうな環境が見つかればこちらもチャレンジしてみることをおすすめします。
育休明け早めの転職にはさまざまなメリットがありますが、一方で注意点も存在します。
後悔しない転職をかなえるためにも、事前に注意点を確認しておきましょう。
転職前に保育園や自治体のルールを確認し、復職期間の有無をチェックしましょう。
「保育園入園審査の際に提出した復職証明書に記載の職場に復職すること。転職・復職等で職場が変わる場合、入園が取り消しになる場合があります」と規定されている市区町村もあるので注意が必要です。
また、なかには一定期間を復職証明書に記載の職場に勤務する必要がある市区町村もあります。
この場合、復職証明書を保育園に提出しなければいけないので、復職を待たず転職することができません。
保育園に入園できないと転職どころか就労もできないので、まずは無事に入園することを第一に考えましょう。
その後一定期間が経過してから転職することとなりますが、情報収集だけは早めに着手しておくことが大切です。
転職先が決まった段階で、可能な限り早く職場へ報告しましょう。
会社は当然ながら復職して働くものだと思っているので、復職に合わせて穴埋めを担う派遣社員の契約期間を調整したり人材配置戦略を練ったりしていることが多いです。
復職直前になって「退職します」となった場合、多大な迷惑をかけてしまいます。
そのため、会社に迷惑をかけたくないときほど早めの報告が大切なのです。
早めに報告しておけば、必要に応じてゆっくり引継ぎすることも可能です。
新規人材を採用する期間を十分に確保できるなど会社側のメリットも多くなるので、特に配慮すべきポイントとして覚えておきましょう。
転職活動や情報収集は、早めにスタートするのがおすすめです。
理想的なタイミングは「保育園が決まってすぐ」と覚えておきましょう。
特に空きが生じやすい4月入園を狙う場合、少し早めの1~2月頃に入園可否の通達がおこなわれます。
入園許可の通知が届き次第すぐに転職活動を始めれば、2~3ヶ月かけてじっくり転職先を選べるので焦る必要がありません。
現職に報告するタイミングも早くなり、誰にとってもメリットのある取り組みとなるのです。
ただ転職するだけでなく転職後の満足度やキャリア形成を視野に入れるのであれば、ワーママ向け転職エージェントの活用がおすすめです。
ワーママ向け転職エージェントはその名の通り子持ちのママに特化した転職エージェントであり、「時短勤務にしたい」「17時半までにはお迎えに行きたい」「マミトラを避けたい」などワーママならではの悩みに寄り添ってくれることが特徴です、
パパ社員ママ社員の多い会社や、経験を最大限活かしながらキャリアアップできる会社の求人が集まる場でもあるので、転職活動にかかる手間も短縮できるでしょう。
一般向けの転職エージェントを使う方法もありますが、小さな子どもがいるワーママの雇用を前提としていない求人が多い点に注意が必要です。
条件がよいと思って転職しても、入社後にミスマッチが発覚することも多いので気をつけましょう。
最後に、育休明け転職にまつわるQ&Aを紹介します。気になる項目があれば、事前に確認してみましょう。
可能です。退職する時期は誰であっても自由に選ぶことができるので、やむを得ない事情により育休中転職するとなっても法律違反になることはありません。
ただし、保育園など子どもの預け先を確保することが先決です。
預け先がない状態で転職活動しても「入社時期を決められない」「毎日子連れ出勤するのは無理」などギャップが発生し、入社に至る可能性は著しく下がってしまうのであらかじめ注意しておきましょう。
育休明け転職もしくは育休中転職をしても、育児休業給付金の返還義務が生じることはありません。
民法第628条にて「やむを得ない事由があるときは、各当事者は直ちに雇用契約の解除をすることができる」と定義されているので、育児休業給付金の不正受給には当たらないのです。
金銭的なデメリットは発生しないので、安心して転職活動してよいでしょう。
育休明けの従業員が復職しなかったことを原因に、会社にペナルティが生じることはありません。
育児休業給付金は会社からではなくハローワークから支給されるものであり、退職により会社負担の保険料率が変動することもないのです。
人員配置の再考案・新規人材の採用など会社に新たな手間が生じることは事実ですが、早めに報告した方が会社も早めに動けます。
迷いに迷って突然辞めるより、早めに報告して義理を通す方が理想的とも考えられます。
「復職して一定期間は最低でも働くべき」というのは意見のひとつであり、ルールとして規定されているものではありません。
育休明けに限定せず、全ての労働者は退職時期を制限されないのでいつでも退職することができます。
ただし、復職するつもりが一切なく育休(および育児休業給付金)を取得するのはNGです。
あくまでも復職を前提として育休を取得したものの、やむを得ない事情で退職せざるを得なかった場合にはこの限りではありません。
育休明けに転職を検討している場合、引継ぎの簡略化や会社側の都合を考えると早めに動き出すのがおすすめです。
転職活動に割く期間を長めに確保できるので焦って転職先を決める必要がなく、新しい環境に馴染むのも早くなるなど自分にとってのメリットも多いでしょう。
リアルミーキャリアは、ワーママ向けの転職エージェントです。
家事・育児と無理なく両立できる職場をお探しの方は、お気軽にご相談ください。