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育休から復帰せず退職する理由は?復職・転職とのお金も比較

育休から復帰せずに退職することは可能です。育児休業給付金を返さないためだけに、1日だけ出勤することが一律に求められているわけではありません。ただし、退職を決めた時期によって給付金の扱いが変わります。

育休中に家庭の状況や復職後の勤務条件が変わり、退職を考えることはあります。一方で、給付金の返還、失業手当、保育園、社会保険など、確認したいことが一度に増えやすい時期でもあります。

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この記事では、退職理由の整理と伝え方に加え、現職への復職、間を空けない転職、いったん退職する場合の収入・給付・社会保険・税を比較します。制度の内容は2026年8月18日時点です。個別の支給可否は、会社、ハローワーク、年金事務所、市区町村へ確認してください。

もくじ

育休から復帰せず退職することは可能

育休から復帰せずに退職すること自体は可能です。ただし、「会社を退職できるか」と「育児休業給付金を受け取れるか」は別の問題として考える必要があります。

退職日や申出の期限は、雇用契約や就業規則によって確認する項目があります。退職を決めたら、まず就業規則を確認し、上司や人事へ連絡できる時期を整理しましょう。

受給資格の確認後に退職を決めた場合

厚生労働省のQ&Aでは、育児休業給付金の受給資格を確認した後に退職することとなった場合は、支給対象になると示されています。2025年4月1日以後に退職した方は、給付金の支給対象期間中であれば、原則として退職日までが支給対象です。

また、受給資格の確認時点で退職予定だった場合を除き、それまで受け取った育児休業給付金を返金する必要はないとされています。復職できないとわかった時点や、退職を決めた経緯を自分の中で整理しておくと、会社やハローワークへ説明しやすくなります。

育休の当初から退職を予定していた場合

育児休業給付は、育休後の職場復帰を前提とした給付です。育休の当初から退職を予定していた場合は、育児休業給付金などの支給対象になりません。

「いつ退職を考え始めたか」は給付の判断に関わります。事実と異なる説明はせず、判断に迷う場合は、勤務先を管轄するハローワークへ確認してください。

制度根拠:Q&A~育児休業等給付~ Q50・Q51(令和8年8月版)|厚生労働省

復職・転職・退職で収入、給付、社会保険、税はどう変わる?

3つの選択肢は、毎月入るお金だけでなく、社会保険料や住民税まで含めて比べることが大切です。次の表は一般的な違いを示したもので、実際の金額や手続きは雇用条件と世帯状況によって変わります。

スクロールできます
比較項目現職へ復職間を空けず転職いったん退職
主な収入復職日から給与。時短勤務では給与が下がる場合あり入社日から転職先の給与。退職日との間に空白があれば無収入期間あり給与は停止。すぐ求職できる場合は基本手当を検討
育児休業給付復職日の前日までが原則の支給対象現職の退職日までが原則。転職先での扱いは別途要件を確認2025年4月1日以後の退職は、原則として退職日まで
育児時短就業給付2歳未満の子、所定労働時間の短縮、賃金低下などの要件を満たすと対象転職先の時短勤務でも要件を満たせば対象になる場合あり雇用保険の被保険者として時短就業していないため対象外
失業手当在職中は対象外間を空けず就職する場合は通常対象外働く意思と能力があり、求職中であることなどが必要
健康保険・年金会社の健康保険・厚生年金。育休終了後は保険料負担が再開加入要件を満たせば転職先で加入。空白日の有無を確認健康保険は任意継続・国保・家族の扶養を比較。年金の切替も確認
所得税給与は課税。育児休業給付は非課税給与は課税。勤務先が変わると年末調整資料の引継ぎが必要基本手当は非課税。年内に再就職しない場合は確定申告で還付となることも
住民税前年所得をもとに課税。給与からの特別徴収が一般的新しい勤務先で特別徴収を続けられるか確認残額を普通徴収や一括徴収で納める場合あり
保育園就労要件を継続。勤務時間の変更届が必要な場合あり転職や就労条件の変更を市区町村へ届け出る求職活動へ認定事由が変わる場合あり。猶予期間は自治体ごとに異なる

比較表は一般的な整理です。給付額、扶養認定、保険料、保育園の継続条件は個別に確認してください。

時短勤務なら育児時短就業給付金も確認する

2歳未満の子を養育するために所定労働時間を短縮し、賃金が下がった場合は、育児時短就業給付金の対象になることがあります。支給対象月の賃金が時短開始前の賃金月額の90%以下なら、原則として支払われた賃金額の10%が支給額です。90%を超え100%未満の場合は、支給率が調整されます。

転職先でパートタイムや短時間正社員になる場合も、所定労働時間や雇用保険の加入歴などの要件を満たせば対象になる可能性があります。復職か転職かを比べるときは、給与額だけでなく、この給付も含めて確認しましょう。

育児休業給付の基本は、育児休業給付金はいくらもらえる?もあわせて確認してください。

育休に復帰せず退職する理由として整理しやすい5つの事情

退職理由は、誰かを納得させるために大げさにする必要はありません。復職後に継続して働くことが難しい事実を、勤務時間、通勤、子供の状況、家族の支援、体調などに分けると整理しやすくなります。

1.保育園の送迎時間と通勤・勤務時間が合わない

始業時刻に間に合わせるには保育園の開園直後に預ける必要がある、終業後の迎えが延長保育の終了時刻を超えるなど、送迎と勤務の時間が合わないケースです。時短勤務を使っても通勤時間が長いと、両立が難しい場合があります。

2.子供の体調や通院、慣らし保育への対応が必要

定期的な通院が必要になった、保育園生活への適応に時間がかかっているなど、育休を始めた時点では予測できなかった事情もあります。病名や家庭内の細かな事情まで説明せず、勤務継続に影響する範囲を伝えればよいでしょう。

3.パパや家族から受けられる支援が変わった

パパの勤務時間や勤務地が変わった、親族の支援を受けにくくなったなど、育児の分担が変わることもあります。育休前に立てた復職計画が成り立たなくなった場合は、その変化を退職理由として整理できます。

4.復職後の勤務地・部署・勤務条件が想定と変わった

復職予定の勤務地が遠くなった、担当業務の時間帯が変わったなど、会社側の状況が変化する場合もあります。まずは人事や上司に調整できる範囲を確認し、それでも継続が難しい場合は、事実を簡潔に伝えましょう。

5.時短勤務や在宅勤務を検討しても継続が難しい

制度があっても、実際の業務量、残業、急な呼び出しへの対応、自分の体調を考えると働き続けることが難しい場合があります。「制度があるか」だけではなく、「毎週続けられる生活になるか」で判断することが大切です。

退職を決める前に気持ちを整理したい方は、育休から復帰したくないときの考え方も参考にしてください。

【コピペOK】退職理由の伝え方と状況別の例文

退職理由は、事実を簡潔に伝えれば十分です。会社への不満を並べたり、事実ではない病気や家庭事情を作ったりする必要はありません。話す順番を決めておくと、育休中でも落ち着いて連絡できます。

伝える順番は「結論・理由・退職希望日・感謝」

  1. 育休から復帰せず退職したいという結論を伝える
  2. 勤務継続が難しい理由を、必要な範囲で事実に沿って説明する
  3. 就業規則を踏まえた退職希望日を伝える
  4. 休業中の配慮への感謝と、必要な手続きを進める意思を伝える

直属の上司へ電話やオンライン面談で先に伝え、その後に会社所定の書類を提出する流れが考えられます。ただし、連絡先や手続きは会社によって異なるため、就業規則と人事の案内を優先してください。

連絡時期の考え方は、育休中に退職を伝えるタイミングで詳しく確認できます。

保育園の送迎と通勤時間が理由の場合

復職後の働き方を検討してきましたが、保育園の送迎時間と通勤時間を考えると、継続して勤務することが難しいと判断しました。
育休から復帰せず、〇月〇日付で退職したいと考えております。
必要な手続きについてご相談させてください。

子供の体調や通院が理由の場合

子供の体調と今後の通院について家族で検討した結果、現時点では復職後の勤務を継続することが難しいと判断しました。
大変申し訳ありませんが、〇月〇日付での退職を希望しております。

家族の支援状況が変わった場合

育休取得時には家族の協力を得て復職する予定でしたが、その後、家庭の事情が変わりました。
勤務と育児を継続して両立することが難しいため、復職せず退職したいと考えております。

転職して働き方を変える場合

今後の働き方を検討した結果、家庭と両立できる勤務条件へ切り替えることにしました。
育休から復帰せず、〇月〇日付で退職を希望しております。
休業中にご配慮いただいたことに感謝しております。

退職届の理由欄は、会社の書式に従い、「一身上の都合」とすることが一般的です。口頭でどこまで説明するかは、会社との関係や手続きに必要な範囲で判断しましょう。

育児休業給付金と失業手当で確認したいこと

2025年4月開始の「育児時短就業給付金」とは?

給付金は退職したら必ず返すわけではない

育児休業給付金は、退職しただけで必ず返金になるわけではありません。受給資格の確認時点で退職予定ではなく、その後に事情が変わって退職した場合は、それまでの給付を返金する必要はないとされています。

一方、育休の当初から退職を予定していた場合は支給対象外です。会社へ伝えた日だけでなく、自分が退職を決めた時期や経緯も含めて、ハローワークが事実関係を確認することがあります。

すぐ働けない場合は失業手当を受け取れない

雇用保険の基本手当、いわゆる失業手当は、求職の申込みを行い、働く意思と能力があるにもかかわらず就職できない方が対象です。育児のためにすぐ働けない場合は、その時点では基本手当を受け取れません

育児などの理由で30日以上働けない場合は、原則1年の受給期間を最長3年延長できます。すぐ求職できない方は、受給期間の延長手続きをハローワークへ相談しましょう。

自己都合退職では待期後に給付制限がある

正当な理由がない自己都合退職では、受給資格決定後の7日間の待期期間に加え、2025年4月1日以後の退職は原則1か月の給付制限があります。過去5年間に自己都合退職による受給資格決定が2回以上ある場合などは、3か月となることがあります。

離職理由は、会社が作成する離職票の記載だけで自動的に決まるわけではありません。本人の説明と資料も踏まえ、最終的にはハローワークが判断します。育児や家族の事情が離職理由に関係する場合は、事実を示す資料があるか確認してください。

失業手当の金額は退職前6か月の賃金が基準

基本手当日額は、原則として離職前6か月の賃金をもとに計算した賃金日額の約50〜80%です。年齢区分ごとに上限があり、2026年8月1日現在は次のとおりです。

離職時の年齢基本手当日額の上限
30歳未満7,450円
30歳以上45歳未満8,270円
45歳以上60歳未満9,110円
60歳以上65歳未満7,830円

出典:基本手当について|ハローワークインターネットサービス

受給要件や所定給付日数は個別に異なります。詳しくは、育休明けに退職したときの失業手当も確認してください。

退職前に確認する手続きチェックリスト

退職日を決める前に、会社だけでなくハローワーク、市区町村、健康保険の窓口へ確認すると、退職後の想定外を減らせます。次の項目を順に確認しましょう。

  • 就業規則:退職申出の期限、連絡先、退職届の書式
  • 育児休業給付:受給資格の確認日、最終の支給対象期間、会社が行う申請の状況
  • 離職票:離職理由の記載内容と、事実を確認できる資料
  • 健康保険:任意継続、国民健康保険、パパなど家族の健康保険の被扶養者を比較
  • 年金:転職先の厚生年金へ移るか、国民年金の第1号または第3号になるか
  • 住民税:新しい勤務先で特別徴収を続けるか、普通徴収や一括徴収になるか
  • 保育園:退職・転職の届出期限、求職活動へ変更した場合の在園期限、必要書類
  • 転職日:現職の退職日の翌日から働くか、休む期間を設けるか

健康保険と年金は退職日の翌日から切替が必要

会社の健康保険と厚生年金の資格は、原則として退職日の翌日に失います。月末に退職した場合は、退職月分の厚生年金保険料も必要です。転職先の加入日との間に空白が生じる場合は、健康保険と年金の手続きを確認してください。

退職後の健康保険は、任意継続、国民健康保険、家族の健康保険の被扶養者という選択肢があります。任意継続と国民健康保険は保険料の計算方法が異なるため、世帯全体の負担額で比べましょう。

住民税は退職してもすぐゼロにはならない

住民税は前年の所得をもとに計算されます。そのため、退職して給与がなくなっても納付が続く場合があります。給与から差し引いていた残額は、退職時期や再就職の有無により、普通徴収、一括徴収、転職先での特別徴収のいずれかになります。

保育園は退職したら一律にすぐ退園するわけではない

退職後の在園条件は市区町村によって異なります。退職により保育の必要性の認定が「就労」から「求職活動」へ変わり、一定期間内の再就職を求められることがあります。退職を会社へ伝える前に、自治体へ匿名で確認できるか相談しておくと安心です。

東京23区で確認する項目は、育休中・退職後の保育園継続条件も参考にしてください。自治体の最新情報を必ず優先しましょう。

退職だけでなく、復職と転職も並べて判断する

退職が最もよい選択になることもありますが、決める前に現職で変えられる条件と、転職で実現できる条件を並べてみましょう。比較するのは、勤務時間だけではありません。通勤、残業、在宅勤務、急な呼び出しへの対応、収入、保育園の継続条件まで含めます。

  • 現職で、勤務地・始業終業時刻・残業・在宅勤務を調整できるか
  • 復職日から1〜2週間の送迎と勤務を、家族で具体的に再現できるか
  • 転職する場合、退職日と入社日の間の収入・保険の空白を許容できるか
  • いったん休む場合、失業手当をすぐ受け取れない期間を家計で支えられるか

復職日の生活を具体化するには、育休明けの復帰時期と生活のシミュレーションが役立ちます。

転職を選ぶ場合は、育休から復帰せず転職する場合の注意点育休明け転職のタイミングもあわせて確認してください。

育休から復帰せず退職するときのよくある質問

育休後に1日も復職しないと違法ですか?

育休から復帰せずに退職すること自体が、一律に違法となるわけではありません。ただし、退職申出の時期や手続きは雇用契約と就業規則を確認し、育児休業給付の扱いはハローワークへ確認してください。

給付金のために1日だけ出勤する必要はありますか?

育児休業給付金を返金しないためだけに、1日出勤することが一律に必要とされているわけではありません。重要なのは、受給資格の確認時点で退職を予定していたか、その後に退職を決めたかです。

退職理由はどこまで詳しく話すべきですか?

勤務継続が難しい事情を、手続きに必要な範囲で簡潔に伝えればよいでしょう。病名、家族の収入、転職先など、私生活のすべてを説明する必要はありません。会社の書式や確認事項には事実に沿って回答してください。

退職したらすぐ失業手当を受け取れますか?

失業手当はすぐ働ける状態で求職活動をすることが前提です。自己都合退職では7日間の待期に加えて給付制限が生じることがあります。育児のためにすぐ働けない場合は、受給期間延長を相談してください。

退職すると保育園はすぐ退園になりますか?

全国一律に、退職したら直ちに退園するとは限りません。求職活動へ認定事由を変更できる期間や必要書類は自治体によって異なります。退職前に市区町村へ確認しましょう。

育休中に転職先を決めてもよいですか?

転職活動はできます。ただし、現職の退職日、転職先の入社日、育児休業給付の終了日、社会保険の加入日が関係します。日付を並べて確認し、会社とハローワークへ事前に相談してください。

復帰せず退職するときは、理由とお金を分けて整理しよう

育休から復帰せず退職することは可能です。退職理由は、送迎と通勤、子供の状況、家族の支援、復職条件、自分の体調など、継続勤務が難しい事実を簡潔に伝えましょう。

同時に、育児休業給付の受給資格を確認した時期、退職日までの収入、失業手当、健康保険・年金、住民税、保育園の条件を確認します。復職・転職・退職の3つを同じ項目で比べると、自分と家族に合う選択を判断しやすくなります。

今の会社で変えられる条件と、転職で実現できる条件を比べたい方は、時短勤務やリモート勤務を含む働き方についてリアルミーキャリアへ相談できます。

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