育休復帰はいつが得?月初・月末のお金の違いと後悔しない決め方
育休からいつ復帰するかを考えるとき、「月初と月末ではどちらが得なのか」「早く復帰すると育児休業給付金で損をするのか」と迷う方もいるでしょう。
結論からいうと、育休復帰に全員共通の「最も得する日」はありません。
社会保険料だけで比べると、月末まで育休を取り、翌月1日に復帰する方が有利になりやすいです。
ただし、復帰後の給与、育児休業給付金、賞与、保育料、自治体が定める復職期限を加えると、別の日が家計に合う場合もあります。
候補日ごとに「復帰後の給与+育児休業給付金+対象となる給付金−社会保険料−税金−保育関連費」を比べることが、後悔を減らす近道です。
この記事では、月初・月末の違いをはじめ、4月30日復帰と5月1日復帰の比較、自分に合う復帰日を決める手順を解説します。
※法制度に関する記載は2026年8月18日時点の情報です。給与や賞与は勤務先の就業規則、保育園の復職期限は市区町村によって異なります。
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育休復帰はいつが得?まず6つの項目を比べる

育休復帰の損得は、社会保険料だけでは決まりません。給与、給付金、保育関連費まで同じ期間で比べる必要があります。
| 比較する項目 | 復帰日で変わること | 主な確認先 |
|---|---|---|
| 復帰後の給与 | 復帰月の支給額 日割り計算 時短勤務による減額 | 就業規則 人事・給与担当 |
| 育児休業給付金 | 育児休業の終了日 支給対象となる日数 | ハローワーク 人事担当 |
| 社会保険料 | 月額保険料の免除が終わる月 賞与保険料の免除 | 人事・給与担当 年金事務所 |
| 賞与・税金 | 賞与の算定期間 在籍要件 復帰月の控除額 | 就業規則 人事・給与担当 |
| 保育関連費 | 保育料 慣らし保育中の交通費・一時保育料 | 市区町村 保育園 |
| 復帰後の働き方 | 時短勤務の給与 送迎時間 残業や在宅勤務の運用 | 上司 人事担当 |
「給付金を長く受け取れる日」と「世帯の手取りが多くなる日」が同じとは限りません。復帰すると育児休業給付金は終わりますが、給与の支給が始まります。給与が給付金を上回る場合は、早めの復帰が家計に合うこともあるでしょう。
つまり、育休から早く復帰すると必ず損をするわけではありません。早いか遅いかではなく、同じ期間の収入と支出を比べることが大切です。
一方、復帰月の給与が日割りになり、社会保険料が1ヶ月分かかるケースでは、数日早く復帰しても手取りが思ったほど増えない可能性があります。まずは6項目のうち、自分の候補日で金額が変わる項目を洗い出してください。
社会保険料だけなら、月末まで育休を取ると有利になりやすい

健康保険と厚生年金の保険料は、育休を始めた月から原則として免除されます。免除されるのは、育休終了日の翌日がある月の前月分までです。
たとえば、5月1日に復帰する場合、育児休業の終了日は4月30日です。終了日の翌日は5月1日なので、4月分まで免除の対象になります。
一方、4月30日に復帰する場合は、育児休業の終了日が4月29日です。終了日の翌日が4月中にあるため、通常は4月分の月額保険料がかかります。
4月30日復帰と5月1日復帰の違い
| 確認項目 | 4月30日復帰 | 5月1日復帰 |
|---|---|---|
| 育休終了日 | 4月29日 | 4月30日 |
| 4月分の月額社会保険料 | 原則として免除されない | 原則として免除される |
| 育児休業給付金の対象 | 原則として4月29日まで | 原則として4月30日まで |
| 4月分の給与 | 1日分が支給されるか、会社の計算方法を確認 | 原則として復帰前のため支給なし |
| 保育園の条件 | 4月中の復職が必要な自治体では対応しやすい | 5月1日復帰が認められるか要確認 |
この比較では、社会保険料だけを見ると5月1日復帰が有利になりやすいとわかります。ただし、4月30日の給与がどのように計算されるか、自治体が5月1日復帰を認めているかによって結論は変わります。
4月30日や5月1日が勤務先の休日に当たる場合も、会社が届け出る育児休業終了日と復職日の扱いを人事担当へ確認しましょう。
同じ月に育休を始めて終えた場合は14日以上が一つの基準

育児休業の開始日が属する月と、終了日の翌日が属する月が同じ場合でも、その月に14日以上の育児休業等を取得すると、月額保険料が免除されます。この扱いは、2022年10月1日以降に開始した育児休業等が対象です。
長期間の育休から復帰するケースでは月末を含むかどうかが中心になりますが、分割して育休を取る場合は14日以上という基準も確認しておきましょう。
賞与の社会保険料には別の条件がある
賞与の社会保険料は、賞与を受け取る月の末日を含み、連続して1ヶ月を超える育児休業等を取得した場合に免除されます。月額保険料と賞与保険料では条件が異なるため、賞与月に復帰する方は分けて確認する必要があります。
また、賞与そのものが支給されるか、育休期間が査定へどのように反映されるかは会社の規程によって異なります。支給日だけでなく、算定期間と在籍要件も確認してください。
復帰月の給与計算によっては、月初復帰が最得とは限らない

復帰月の給与を日割りで計算するか、欠勤控除で計算するかは会社によって異なります。給与の締め日や支給日も、手元のお金が増える時期に影響します。
たとえば、月末に1日だけ復帰した場合でも、社会保険料は1ヶ月分かかることがあります。1日分の給与より社会保険料の本人負担額が大きければ、その月の手取りだけを見ると不利になる可能性があります。
反対に、月初から復帰すれば、ほぼ1ヶ月分の給与を受け取れます。育児休業給付金は終わるものの、給与との差額によっては世帯収入が増えるでしょう。
人事・給与担当には、候補日を具体的に示して、次の内容を確認すると比較しやすくなります。
- 復帰月の基本給は日割りか、欠勤控除か
- 時短勤務を始める場合、基本給と各種手当はどう変わるか
- 給与の締め日と初回支給日はいつか
- 通勤手当、住宅手当、役職手当などはいつから再開するか
- 賞与の算定期間と育休期間の扱いはどうなるか
住民税の徴収方法なども、育休中と復帰後で変わる場合があります。復帰直後の家計が厳しくならないよう、最初の給与明細で差し引かれる項目まで聞いておくと安心です。
育児休業給付金だけで「得な復帰日」は決められない

育児休業給付金は、育児休業を開始した日から1ヶ月ごとの「支給単位期間」で計算されます。育児休業の終了日を含む支給単位期間は、育児休業の終了日までが対象です。
そのため、「1歳や1歳6ヶ月の満期まで休まなければ、それまでの給付金をすべて失う」という仕組みではありません。復帰日を早めると、原則復帰前日までの日数に応じた給付となり、その後は給与の支給が始まります。
育児休業給付金の支給率は、育児休業の開始から180日までは休業開始時賃金日額の67%、181日目以降は50%です。育休中に会社から賃金が支払われる場合は、給付額が減額されたり、支給されなかったりすることがあります。
2026年8月1日以後の支給対象期間では、支給日数が30日の場合の上限額は次のとおりです。これらの金額は2027年7月31日まで適用されます。
- 支給率67%の上限額:332,454円
- 支給率50%の上限額:248,100円
上限額に当てはまらない方の給付額は、原則として休業開始時賃金日額と支給日数をもとに計算します。自分の見込み額を確認するときは、勤務先または管轄のハローワークへ相談してください。
給付金の対象者、計算方法、申請手続きは、育児休業給付金の対象者・金額・申請方法でも詳しく説明しています。
4月入園後の復帰日は、自治体の期限を先に確認する
4月入園が決まったからといって、必ず4月1日に復帰しなければならないわけではありません。復職期限や必要書類は市区町村ごとに異なります。
慣らし保育が終わってから復帰したい場合は、入園月のいつまでに復職する必要があるか、5月1日復帰が認められるかを確認してください。期限を過ぎると、保育園の利用継続へ影響する可能性があります。
確認したいのは、次の3点です。
- 入園後の復職期限
- 復職証明書や就労証明書の提出期限
- 慣らし保育期間中の扱いと、復職日の変更手続き
慣らし保育の期間は、園の方針や子どもの様子によって変わります。最初から予定どおりに進むとは限らないため、パパとの送迎分担や有給休暇の使い方も考えておくとよいでしょう。
保育園の選び方や送迎時間まで含めた保活の進め方は、育休復帰に合わせた保活のポイントを参考にしてください。お迎えに間に合わないときの対応は、保育園のお迎え時間に間に合わない場合の対処法で紹介しています。
0歳・1歳・1歳6ヶ月以降の復帰は、家計と制度の両方で比べる

子どもの年齢だけで、得な復帰時期を決めることはできません。保育園の入園時期、育児休業給付金、復帰後の給与、家庭で無理なく回せる生活時間をあわせて考えましょう。
| 復帰時期 | 確認したいこと | 注意点 |
|---|---|---|
| 0歳 | ・入園できる時期 ・復帰後の勤務時間 ・給付金と給与の差 | 産後の体調や家庭のサポート状況を一律に判断しない |
| 1歳前後 | ・育休の終了予定日 ・保育園の結果 ・自治体の復職期限 | 給付率は育休開始181日目以降50%となる |
| 1歳6ヶ月 ~2歳 | ・延長要件 ・入所申込日 ・必要書類 | 希望するだけで自由に延長できる制度ではない |
育児休業は原則として子どもが1歳になるまでです。保育園に入れないなど一定の要件を満たす場合は1歳6ヶ月まで、さらに要件を満たす場合は2歳まで延長できます。
2025年4月以降、保育園に入れないことを理由に育児休業給付金の支給対象期間を延長する場合は、申込書の写しや入所保留通知書などの提出が必要です。入所申込書に速やかに職場復帰する意思がないことが明らかな記載がある場合や、申込期限に間に合わなかった場合は、要件を満たさないことがあります。
1歳以降の延長は、自分で自由に選べる長期休暇ではありません。入所希望日、申込期限、希望園の範囲、内定辞退の扱いまで早めに確認しましょう。
育休を制度上いつまで取れるか、0歳・1歳・2歳復職をどう比べるかは、育休はいつまで取れるかを解説した記事で確認できます。
復帰後に使える制度も手取りと両立に影響する

育休から早く復帰するか迷うときは、復帰後に使える制度も確認してください。時短勤務や給付金を利用できれば、収入の減少や送迎時間の負担を抑えられる場合があります。
3歳未満の子どもを育てる方は時短勤務の対象になり得る
会社は、3歳未満の子どもを養育する一定の要件を満たす労働者に対し、原則として1日の所定労働時間を6時間とする措置を含む短時間勤務制度を設ける必要があります。
ただし、1日の所定労働時間が6時間以下の方や、労使協定で対象外とされた継続雇用1年未満の方などは利用できない場合があります。会社独自に5時間や7時間の勤務を選べるケースもあるため、就業規則を確認しましょう。
勤務時間の決め方は、時短勤務は何時間まで短縮できるかで詳しく説明しています。年齢ごとの制度は、時短勤務は何歳まで利用できるかも参考になります。
2歳未満で時短勤務をすると育児時短就業給付金の対象になる場合がある
育児時短就業給付金は、2歳未満の子どもを養育するために時短勤務を行い、時短勤務前より賃金が下がるなどの要件を満たす方が対象です。
支給額は、原則として育児時短就業中に支払われた賃金の10%相当です。ただし、時短勤務前の賃金水準を超えないよう調整され、賃金額などによっては支給されない場合もあります。
制度の対象になるかは、勤務先または管轄のハローワークへ確認してください。
復帰後の社会保険料や将来の年金額に関する手続きも確認する
時短勤務で報酬が下がった場合、一定の要件を満たせば「育児休業等終了時報酬月額変更届」により、復帰後3ヶ月間の報酬平均をもとに4ヶ月目から標準報酬月額を改定できます。手続きには本人の申し出が必要です。
また、3歳未満の子どもを養育している期間に標準報酬月額が下がった場合は、養育前の高い標準報酬月額を使って将来の年金額を計算する「養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置」があります。こちらも申し出が必要です。
標準報酬月額を改定する手続きと、将来の年金額を守る手続きは別です。復帰後に時短勤務を選ぶ方は、人事担当へ両方を確認するとよいでしょう。
参考:育児休業等終了時報酬月額変更届の提出、養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置|日本年金機構
残業免除や柔軟な働き方も選択肢になる
小学校就学前の子どもを養育する一定の労働者は、所定外労働の制限を請求できます。2025年4月から、対象となる子どもの範囲が小学校就学前までに広がりました。
さらに、2025年10月からは、3歳から小学校就学前までの子どもを養育する労働者に対し、会社が始業時刻の変更、リモートワーク、短時間勤務など5つの措置から2つ以上を用意する制度が始まっています。労働者は、会社が用意した措置の中から1つを選択できます。
利用条件や会社が用意している措置は、復帰前に就業規則と社内窓口で確認してください。
自分に合う育休復帰日を決める5つの手順
「得か損か」を感覚で決めると、会社や自治体の条件を見落としやすくなります。候補日を2つか3つ置き、同じ条件で比べましょう。
- 候補日を2つか3つ決める
- 会社へ給与と制度を確認する
- 自治体と保育園へ期限を確認する
- 候補日ごとの手取りを同じ期間で比べる
- 生活時間が無理なく回るか確かめる
1.候補日を2つか3つ決める
保育園の入園日、慣らし保育の見込み、育休の終了予定日を確認し、現実的な候補日を置きます。
たとえば、4月中の復帰が必要な場合は「4月30日」、翌月復帰も認められる場合は「5月1日」、慣らし保育を考慮する場合は自治体の期限内でもう1日を候補にします。
2.会社へ給与と制度を確認する
候補日ごとに、復帰月の給与、社会保険料、賞与、時短勤務の給与を確認します。口頭だけでなく、メールや社内チャットで回答を残しておくと後から見直しやすくなります。
3.自治体と保育園へ期限を確認する
復職期限、証明書の提出期限、慣らし保育の予定を確認します。保育園の利用継続に関わるため、会社との調整より先に確認してもよい項目です。
4.候補日ごとの手取りを同じ期間で比べる
比較期間を1ヶ月または2ヶ月にそろえ、次の式で見込み額を出します。
「復帰後の給与+育児休業給付金+育児時短就業給付金など−社会保険料−税金−保育関連費」
金額がわからない項目は「未確認」として残し、推測で埋めないようにしましょう。数日分の差だけでなく、初回給与が振り込まれる時期も確認してください。
5.生活時間が無理なく回るか確かめる
手取りが多くなる日でも、送迎や通勤に無理があると長く続けにくくなります。復帰後の始業・終業時刻で、朝の準備からお迎え、夕食、就寝までを一度試してみましょう。
パパとの送迎分担、子どもの急な体調不良、残業が発生した日の対応まで決めておくと、復帰後の負担を具体的に見積もれます。
復帰後に起こりやすい生活や仕事の変化は、育児と仕事の両立で感じやすい復職時のギャップも参考になります。
育休復帰の時期のよくある質問
育休復帰日は、お金と続けやすさの両方で決めよう
育休復帰に全員共通の「最も得する日」はありません。社会保険料だけなら、月末まで育休を取り翌月1日に復帰する方が有利になりやすいものの、給与、給付金、賞与、保育関連費、自治体の復職期限を含めると結論は変わります。
まずは候補日を2つか3つ決め、会社と自治体へ具体的な日付を示して確認してください。確認した金額と条件を同じ表に入れると、自分の家庭に合う復帰日を選びやすくなります。
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