時短勤務が迷惑・うざいと思われることがあるのはなぜ？働きやすい環境をつくるコツとは

【この記事でわかること】
時短勤務のワーママが「迷惑」「うざい」と思われる不安の背景には、以下があります。
・残業前提の職場での“早く帰るズルさ”という感情
・子どもの急病による突発休への不満
・フォローが一部の人に偏る疲弊
会社側にも、時短社員のマネジメント不備やマミートラック問題が存在します。
時短勤務中のワーママが対策できることとしては、日頃から感謝を伝える、助けてもらった分を返す、進捗共有やマニュアル整備で急な休みに備えることが有効です。
ただし偏見は社風に左右されやすく、改善が難しい職場もあります。
そんな場合は柔軟な働き方に理解がある業界への転職も選択肢のひとつ。
時短は正当な権利なので過度に気負わず、気遣いと工夫で働きやすさをつくることが大切です。

時短勤務が迷惑・うざいと思われがちなのはなぜ？

「時短勤務」は育児・介護休業法という法律で定められた制度です。3歳未満の子供を育児する人は、勤務時間の短縮や残業の免除が認められています。

時短勤務を取得することは子供を持つ人に認められた正当な権利ですが、残念ながら時短勤務のママのことを「迷惑だ」「うざい」と思う人がいるようです。いったいなぜ迷惑に感じる人がいるのでしょうか。

早く帰るのがずるい

忙しくて残業が恒常化している会社では、残業なしで帰っていく時短勤務のママのことを快く思わない人がいます

時短勤務するとその分給料が減る、時短勤務でも自分の仕事はきっちり終わらせている、ということを同僚は知らない場合もあります。

忙しくストレスフルな職場の不満の当てつけとして、時短勤務のママに矛先が向くのかもしれません。

急に休まれると迷惑

ワーママは避けて通れない急な子供の体調不良による呼び出し。仕事の調整に追われて本当に大変ですよね。

しかし「子持ちはすぐ休んで迷惑」「自分勝手だ」などと思う人もいます。
子供がいない人にとっては、子供の病気でこんなに休まざるをえないことは想像もつかないこと。

特に同じ業務をやっている人だけに負担がかかる場合、フォローは必須です。

時短勤務ママのフォローに疲れた

職場によっては、時短勤務で帰宅するママの残務を一方的に任されたり、急な休みのときのフォローの負担がひとりに集中したりということがあるようです。
一方的な業務の負担ばかり増えていくと、同僚の不満がたまるのも無理はありません。

しかし、時短勤務の人に振る業務量やフォローする同僚の業務負荷の調整は、本来なら会社の制度や上司の管理で調整すべきもの。
いつもフォローする同僚の心情的には「なんでいつも自分ばっかり…」と、不満がたまるのも無理はありません。

権利ばかり主張する態度

時短勤務をしているワーママは、謙虚に一生懸命仕事に集中していることがほとんど。

しかし、なかには「時短勤務なら許される」と勘違いし、権利ばかり主張して仕事が進んでないママがいるケースも…。

時短勤務をフォローする人へ、やってもらって当然という態度でいると、周囲の不満がどんどん膨らみます。
恐縮しすぎる必要はありませんが、お互い少しでも気持ち良く仕事ができるように、同僚への感謝の気持ちや気遣いは忘れないようにしたいですね。

同僚の目が気になった…時短ワーママの体験談

＜Eさん 30代 子供1人 Webディレクター＞
独身の若い男性が多く、ワーママに理解のない会社に勤めていました。
自分がまだ独身のころ、男性陣が時短勤務のママに対して、陰で不満を口にしている様子を見てきました。「また子持ちが休んでいる」「勤怠が安定しないから仕事を任せられない」「同じチームになりたくない」など言いたい放題で、自分も将来出産したら同僚にこんなふうに迷惑に思われるのかと怖くなったものです。

自分が出産して時短勤務をするようになってからは、同僚の目が気になって肩身が狭く、つらかったです…。感謝の気持ちだけは常に伝え、でもあまり萎縮しすぎても扱いにくいと思われるので、勤務中はやるべきことをしっかりやり、なるべく堂々としていることを心掛けました。

時短勤務のワーママは扱いにくい？

フルタイム残業ありの社員と足並みがそろわず、時短勤務はなんとなく扱いにくいと思われることがあります。
とくに会社に時短勤務をしているママが他にいない場合は、上司や同僚は時短勤務で育児をしながら働くママの大変さがイメージできないことが多いようです。

時短勤務のマネジメントが確立していない

管理職がワーママのマネジメント経験がない場合、どのようにワーママを扱っていいのかわからない人は意外と多いものです。

社内で少数派である「時短勤務社員」の扱い方に慣れておらず、会社側も制度や教育が追い付いていない現状があるようです。
社内で漠然と「時短勤務は扱いにくい」と思われるような雰囲気になってしまうのは、会社側にも責任があると言えるでしょう。

配慮からマミートラックに

時短勤務が扱いにくいと思われることに起因し、ママがマミートラックにはまることは珍しくありません。
会社は「時短勤務だから早く帰れるよう負担の軽い仕事を与えよう」「時短勤務や休みがとりやすい部署に異動させよう」といった過剰な配慮によって、時短勤務ママは異動や重要な仕事を任せてもらえないケースもあります。

人事評価も時短勤務を考慮したものではなく、フルタイムの成果を基準としたもので評価をされたり、時短勤務中は昇格・昇給から外れたりといった対応をされることも…。

時短勤務でもイライラされないコミュニケーション術

当たり前のことですが、心のなかで感謝しても口に出さないと伝わらないものです。丁寧にコミュニケーションをとっておくと、毎日の積み重ねで居心地の悪さを解消できるかもしれません。

感謝を伝えるときはより具体的に

ポイントは5W1Hを使い、何に感謝しているのか具体的に表現すること。

例えば、以下の2つのパターンのお礼を言われるなら、あなたはどちらの方が嬉しいですか？また作りたいと思えますか？

「ご飯を作ってくれてありがとう」
「卵焼きの食感がふわふわで美味しかった。ご飯を作ってくれてありがとう」

あなたがどんなことで助かったのか、感謝しているのか具体的に伝えると、より感謝の気持が伝わります。
ただし、長すぎると「話が長い人」と思われてしまうので、上記の例のように一言で伝えましょう。

仕事や家事で忙しい毎日を送っていると、つい雑にコミュニケーションを取ってしまいがち。でもここを丁寧につたえることで、今後の人間関係を円滑に進めることができます。

業務の進捗管理はこまめに

子供の看病などで突然休む・早退する場合に備え、日ごろから進捗管理はこまめに行いましょう。

同僚に引き継ぐのを前提に、
・業務の目的とゴール
・いつ、どこまで対応しているか
・いつまでに誰が何をやればいいか
・その作業のために何がどこにあるか
誰が見てもわかるような進捗管理表を作っておくとスムーズに仕事を引き継げます。

自分の担当する属人的な仕事や仕事についてはマニュアルを用意しておくと、引き継いでもらった相手の負担も軽減するでしょう。

時短勤務を迷惑・うざいと思う人がいるのは社風にもよる

時短勤務なりに成果を上げようと一生懸命仕事を頑張り、周囲にも配慮をしているにもかかわらず、時短勤務への偏見が変わらないこともあります。

それはママに問題があるというよりも、上司の管理能力や育児に理解がない社風によるものだと考えられます。

時短勤務への風当たりが強くて働きにくいのであれば、代表や社員の多くが子育て中であるなど、子育てに理解がある会社に転職することもひとつの選択肢です。

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