ワーママ転職のよくある事例(7)「時短勤務の期限が切れたらどうする?」編

                   

正社員のままで勤務時間を短縮できる「時短勤務」はワーママの強い見方であり、実際に時短正社員として働いている人も多いです。

しかしほとんどの企業では時短勤務できる期間に制限を設けており、希望すれば何年でも時短勤務できるとは限らない点に注意しましょう。

本記事では、時短勤務できる期限が切れてからの働き方について解説します。時短勤務に関する現状にも触れるので、参考にしてみましょう。

関連記事>時短勤務は何歳まで続けられる?3歳・小1・小4で時短が切れてしまう場合の問題点

時短勤務に関する現状

まずは時短勤務に関する現状を解説します。

時短勤務に関する制度を正しく理解する他、他のワーママがどうしているのかを知るきっかけとしてお役立てください。

法律上は「時短勤務は子が3歳になるまで」と定められている

時短勤務は育児・介護休業法で定められた制度であり、対象者から時短勤務をしたいと要望があった場合、企業側は断ることができません。

ただし、時短勤務を取得できる対象は限られており、以下の条件を満たしている必要があります。

  1. 3歳未満の子どもを養育していること
  2. 1日の所定労働時間が6時間以下でないこと
  3. 日々雇用される者(1日限りの雇用契約または30日未満の有期契約で雇われている労働者)でないこと
  4. 短時間勤務制度が適用される期間に現に育児休業をしていないこと
  5. 労使協定により定められた適用除外者ではないこと

引用:厚生労働省 都道府県労働局雇用均等室「都道府県労働局雇用均等室」

ここで注目しておきたいのは、「1.3歳未満の子どもを養育していること」の項目です。

「時短勤務は子が3歳になるまでしか取得できない」ということであり、それ以降の時短勤務を許可するかは企業の裁量に委ねられています。

子が3歳以降になっても時短勤務できる企業はごく限られている

子どもが3歳以降になっても時短勤務できる企業はありますが、数はごく限られています。

引用:「育児のための短時間勤務制度の現状と課題」より

上図は、時短勤務の期限をいつまでに設定しているか調査した結果です。

全体の61.7%が「子が3歳に達するまで」と規定しており、次に多いのが「小学校就学の始期に達するまで」と規定しています。

「小学校卒業以降も利用可能」と規定しているのは全体に3.9%に留まっているため、ほとんどが期限付きで時短勤務を認めているということがわかりました。

とはいえ、実際に子が何歳になるまで時短勤務したいかは家庭により異なります。

家族の協力体制が整っていて未就学児の段階からフルタイムで働ける人もいれば、子の性格や習い事の都合に合わせて小学校卒業以降も時短勤務したいという人もいるでしょう。

自分で時短勤務の期限を選べないからこそ、働き方に迷うワーママが多いとわかります。

多くのワーママが復職から3年以内に時短勤務を解消している

引用:ベネッセコーポレーション「時短勤務、いつまでする?時短解除した時期と理由を先輩ママに聞きました」

上図では、多くのワーママが復職から3年以内に時短勤務を解消していることがわかります。

時短勤務を解消したタイミングとして最も多いのが「1年から2年未満」で21.7%、次いで「2年から3年未満」で14.5%となりました。

法律により子どもが3歳になるまでの期間で時短勤務が認められていることや、3歳以降の時短勤務取得を認めていない企業が多いことと照らし合わせると、納得の結果であるとも言えます。

しかし、ワーママが自ら希望して3年以内に時短勤務を解消しているとは限りません。

本当はもっと時短勤務を続けたかったのに、制度上不可能だから時短勤務を解消せざるを得なかった、という人がいるのも事実です。

子どもが3歳頃に時短勤務を解消する弊害

ここでは、子どもが3歳頃に時短勤務を解消する弊害について解説します。

3歳という年齢でどんな暮らしになっているか、仕事との両立をイメージしながらチェックしてみましょう。

保育園へお迎えに行く時間が遅くなる

時短勤務を解消してフルタイムにした場合、勤務時間が長くなるため保育園へお迎えに行く時間が遅くなります。

通勤時間や残業の多さ次第では保育園が閉まるギリギリの時間になってしまうこともあり、その後のスケジュールにも影響してくるので注意しましょう。

家事・育児の時間が減るだけでなく、急にお迎えが遅くなったことに対して子ども自身が不安に感じるケースも少なくありません。

保育園の開所時間次第では継続利用できなくなる

保育園の開所時間次第では、時短勤務を解消してフルタイムにしたことで継続利用できなくなる場合があります。

例えばフルタイムで18時まで働き、1時間の通勤を経て19時に保育園に着いたとしても、保育園の開所が19時までであればかなりギリギリの到着になります。

少しでも残業が発生したり、交通機関の遅延が起きたりした場合、保育園側に大きな迷惑がかかるので注意が必要です。

そもそも到着予定時間より早く保育園が閉まってしまう場合、物理的に継続利用できなくなるため、転園が必須となります。

とはいえ自宅・職場から通いやすく3歳クラスに空き枠のある保育園が見つかるとも限りません。

子どもの預け先が見つからないと働くこと自体ができなくなるので、思わぬ形でキャリアが断絶されてしまう恐れがあるのです。

子どもと過ごす時間や家事の時間が減る

なんとか保育園を継続利用できる範囲で時短勤務を解消できたとしても、帰宅時間が遅くなることで子どもと過ごす時間や家事の時間が減ってしまうのがデメリットです。

慌ただしく食事や入浴をしていているだけですっかり夜遅くなってしまい、余暇を過ごす余裕がなくなることも。

また、子どもの睡眠時間が減って成長・発達・精神面の安定に影響する可能性もあり、理想通りにいかない子育てに不安が募るかもしれません。

子ども自身も「もっと自宅で遊びたい」「毎日最後まで保育園にいるのは寂しい」と感じている場合、親の罪悪感も強くなってしまいます。

残業・休日出勤・出張を命じられる場合がある

時短勤務を解消してフルタイムに戻した場合、当然ながら他社員と同じペースで働くことが期待されます。

2024年段階では残業免除の制度も子が3歳になるまでと規定されているため、残業を一方的に断ることもできません。

今後は子どもが小学校入学前まで残業免除申請できるよう制度が変わる可能性が高いですが(※)、実際にいつから施行開始されるかは不透明です。

残業・休日出勤・出張を命じられた場合、家族のスケジュールにも影響します。

「お迎えにいけない」「子どもを見てくれる人がいない」など物理的なハードルがある場合、就業継続が難しくなります。

(※)参考:独立行政法人労働政策研究・研修機構「短時間以外の勤務時間の選択や残業免除申請の3歳以降の延長を提言」

業務負荷やプレッシャーが増える

時短勤務を解消してフルタイムに戻したことで、業務負担やプレッシャーが増えることも多いです。

残業を前提とした業務量を任されたり、責任の大きなプロジェクトのリーダーに任命されたりすることで、「働かざるを得ない」状態になってしまうケースも少なくありません。

結果、しわ寄せが生じるのは家族や子ども、またはワーママ自身になってしまいます。

ベビーシッターをフル活用してお金を削りながらフルタイムで就労しているうちに、実質的な手取り額が減ってフルタイムの意義を見通せなくなってしまうこともあるでしょう。

また、持ち帰り残業など無理をしすぎてママ自身の健康を害してしまうなど、思わぬデメリットも生じます。

今後生じる「小1の壁」に対応しづらくなる

保育園時代はなんとかフルタイムに戻して働けたとしても、その後小学校入学と同時に「省の壁」にぶつかる家庭も多いです。

小学校の学童は保育園より開所時間が短めに設定されていることが多く、お迎えに間に合わなくなるリスクが大きくなります。

鍵っ子にして自宅で留守番してもらうことも可能ですが、低学年の子がひとりで過ごす寂しさや防犯対策のことを考えると、なかなか決断できない家庭もいるでしょう。

「保育園より小学校の方が平日イベントが多い」「小学校に上がると習い事の時間枠が変わって仕事と両立できない」など、想定していなかった落とし穴も多いです。

時短勤務を解消した直後の働き方だけでなく、将来的な働き方も視野に入れてキャリア形成する必要があります。

時短勤務の期限が切れるときの選択肢

次に、時短勤務の期限が切れるときの選択肢について解説します。

どのような解決策があるのか、自分の家庭と照らし合わせながら検討してみましょう。

時短勤務できる会社に転職する

どうしても時短勤務を継続したい場合、時短勤務できる会社に転職するのが最も有効な解決法です。

3歳以降も時短勤務できる会社や、時短勤務できる期限に制限のない会社に転職すれば、プライベートと仕事を両立しやすくなります。

正社員のまま時短勤務できるためゆくゆくフルタイムに戻すなどキャリアの選択肢も多く、安定した働き方ができるのがメリットです。

フルタイムに切り替えて同じ会社で働く

時短勤務の期限が切れると同時にフルタイムに切り替え、そのまま同じ会社で働くワーママもいます。

保育園の開所時間や家族の協力など、条件が揃っていればフルタイムで働ける可能性が出てきます。

勤務時間を長くできる分収入も高くなり、金銭的にもキャリア的にもメリットが大きいので、フルタイムが可能かまずはシミュレーションしてみましょう。

契約社員・パートになって同じ会社で働く

契約社員・パートなど非正規雇用になって同じ会社で働く方法もあります。

転職を伴わないため手間が少なく、シフト制で働くペースが比較的自由になりやすいため、両立面での障壁がありません。

一方、一度契約社員やパートになってしまうと、正社員に戻れるとは限らない点がデメリットです。

転職して正社員になろうとしても、正社員ならではの経験がないため評価されず、再就職時に苦労する可能性があります。

退職して専業主婦になる

思いきって退職し、専業主婦になる道もあります。

自由になる時間が多く、家庭にフルコミットできるため金銭的な余裕があれば習い事なども子どもの要望に合わせて予定を組めるのがメリットです。

ただし、一度専業主婦になってから正社員として再就職するのは難しく、パート・アルバイトでの採用にしかならないことも多いです。

また、職歴がリセットされてしまうため前回正社員だったときのような待遇が望めず、新卒同等の給与になってしまうケースも少なくありません。

保育園は原則として就労家庭の支援を目的としている福祉施設のため、退職して専業主婦になるのであれば保育園も退園する必要があります。

幼稚園など預け先を確保できるかなど、複数の課題が出てくるので注意しましょう。

リアルミーキャリアなら時短正社員のまま転職できる!

リアルミーキャリアは、時短正社員特化型の転職エージェントです。

そのため、「時短勤務できる期限が切れてしまうが今後も時短勤務を続けたい」「子どもがある程度大きくなるまで時短正社員のままでいたい」というご相談を受ける機会が多いです。

ワーママ利用率の高いサービスなので求人の多くがワーママ向けであり、ワーママのキャリア形成や働き方に理解のある企業が多数揃っているので、お気軽にご相談ください。

時短正社員のまま転職したい人、フルタイムに戻すと仕事と家庭の両立が難しそうな人にこそ、利用してほしいサービスです。

リアルミーキャリアが時短正社員転職に強い理由

最後に、リアルミーキャリアが時短正社員転職に強い理由を解説します。

なぜ時短勤務の中途入社を受け入れてくれる会社が多いのか、チェックしてみましょう。

成果主義・能力主義の求人が多いから

リアルミーキャリアに求人掲載している企業の多くが成果主義・能力主義を導入しており、パフォーマンスや実績で人事評価されます。

働く時間ではなく成果で評価するスタイルなので、「時短勤務でもしっかり成果を出してくれるなら問題ない」という考え方が浸透しています。

スキルや経験があれば入社時のハードルも下がりやすく、「時短勤務だから」「フルタイムだから」と一線を引かれてしまうこともありません。

時短正社員転職を目指している人はもちろん、マミートラックからの脱却や成果に見合った待遇を求めて転職したいワーママにもおすすめです。

フレキシブルな働き方を認めている求人が多いから

リアルミーキャリアではフレキシブルな働き方を認めている求人を多数取り扱っており、ワーママにとって働きやすい環境が整っているケースが多いです。

特にIT業界やWeb業界の求人が多く、テレワークやフレックスタイム制度などを導入済みの企業が増えているのでチェックしてみましょう。

その他、副業人材やフリーランスも活躍している企業であれば人材の多様性が保たれていて、ワーママが特殊な存在として見られないのもメリットです。

ワーママに特化した転職サポートを提供しているから

リアルミーキャリアは時短正社員転職特化型の転職エージェントですが、ワーママ特化型の転職エージェントでもあります。

ワーママのキャリア形成や子どもの年齢・成長ステージに合わせた無理のない働き方の考案に強みがあり、仕事と育児の両立法を探れます。

実際にワーママにとって理想的な求人・企業を紹介したり、忙しい毎日の合間を縫って効率よく転職できるような選考対策を提供しているので、転職検討中の方は活用してみましょう。

まとめ

時短勤務できる期限が近づいてくると、「フルタイムに戻す?転職する?」など多くの選択肢が浮かんで悩んでしまうものです。

悩む期間が長くなればなるほど、「本当にこれでいいのかな?」という疑問も浮かびやすく、キャリアの軸を見失ってしまうかもしれません。

今後のキャリアプランに迷っている方は、リアルミーキャリアにご相談ください。

時短勤務を継続するケースやフルタイムに戻すケースなど、複数の観点からキャリアづくりを支援します。