育休明けすぐの退職は問題ナシ!転職を成功させる秘訣は?

                   

育休明けに無事復職したはいいものの、「思ったような働き方ができない」「想像以上に両立が難しい」などギャップを感じることは少なくありません。

ふと頭をよぎるのが、「退職」のキーワードではないでしょうか。

せっかく育休が明けたばかりなのにすぐ退職することに不安を感じるかもしれませんが、実はルール違反ではないので安心しましょう。

今回は、育休明けに退職を検討されている方に向けて、転職成功の秘訣をお伝えします。

注意点にも触れるので、あらかじめイメージしておきましょう。

育休明けの退職は可能!法律的には問題なし

育休明けの退職は、ルール違反ではありません。

「職業選択の自由」が認められている通り、育休取得の有無を問わず労働者であれば誰でも自由なタイミングで退職・転職できるのです。

退職を前提に育休を取得するのはNGですが、「復職後に理想の働き方が変わった」「育休明けに会社とのギャップが判明した」という理由で退職するのはOKです。

退職するタイミングで育児休業給付金の受給が変わる

育児休業給付金は、対象するタイミング次第で受給できる金額が変わります。

原則として、「退職を申し出たタイミングで受給終了」と思っておきましょう。

つまり、育休期間がまだ残っている段階で退職を伝えると、退職日までの分しか受給できないので要注意です。

一方、既に復職した後に退職で申し出たのであれば、既に育児休業給付金は全額受給済みなので金額に影響することはありません。

「育休明け」という微妙なタイミングにおいても、原則上記と同じ処理がなされます。

育休から復職してすぐに退職を申し出るのであれば、既に復職を迎えているので受給額は変動しません。

反対に、復職前の段階で申し出た場合、退職日次第では受給額に影響するので注意しましょう。

転職先が決まらなければ失業保険も受けられる

万が一次の職場が決まらなかった場合、失業保険を受けることも可能です。

失業保険を受給するには、下記の条件を満たす必要があります。

  • すぐにでも再就職する意思があること
  • 退職前の過去2年間で雇用保険に1年以上加入していること

「退職前の過去2年間で雇用保険に1年以上加入していること」については、育休給付金を受給できている段階で既にクリアしています。

「すぐにでも再就職する意思があること」については、保育園が見つからずすぐに働けない場合や既に退所してしまっていて預け先が確保できない場合、条件に該当しなくなるので要注意です。

ベビーシッターや両親のサポートを受け、保育園を使わずともすぐに再就職できるのであれば問題ないですが、非常にレアなケースと言えるでしょう。

とはいえ、育児が理由ですぐの再就職ができない場合は最大過去4年まで雇用保険の加入期間を遡ってもらえる制度があるので、あらかじめハローワークに相談しておきましょう。

育休明けに退職または転職するときの注意点

ここでは、育休明けに転職または転職する場合の注意点を解説します。

退職を申し出てから後悔しないよう、あらかじめデメリットも含めて確認しておきましょう。

保育園の入園審査に影響する場合がある

退職して仕事がなくなると、保育園の入園審査に影響する場合があります。

基本的に、保育園は保護者の就労(もしくは介護・療養など)により「保育に欠ける家庭」が利用する福祉施設です。

相当な空きがない限り、専業主婦家庭が利用するのは難しいので注意しておきましょう。

退職した途端に入園審査の点数が下がり、どこにも合格できなくなった、というケースは珍しくないのです。

また、既に入園通知をもらっていても、申請したときと同じ会社に復職しなければ入園取り消しになる市区町村もあります。

すでに復職証明書を提出していて問題なく保育が始まっていても、退職から3ヶ月以内に仕事を見つけて入社していないと退職、など細かなルールが決まっていることもあるので事前にチェックしておきましょう。

子どもの預け先が決まっていないと転職しづらい

万が一保育園が決まる前に退職を申し出てしまい、預け先を確保できなくなった場合は転職へのハードルがグッと上がります。

子連れで働ける会社の数はまだまだ少なく、働けたとしても超短時間のパートのみになってしまいます。

正社員として転職する道がかなり閉ざされてしまうので、まずは保育園など預け先の確保から始めましょう。

ママが働きやすい求人の割合は少ない

ワーママでも転職することはもちろん可能ですが、「ママが働きやすい会社」の求人はまだまだ少ないのが現状です。

入社してすぐは時短勤務が取得できなかったり、残業・休日出勤しないと十分な業務量をこなせなかったりする会社も多いです。

一見ワーママが使いやすい福利厚生が整っていても、利用している社員がほとんどいなくて形骸化していることも少なくありません。

「転職すること」だけを考えるのであれば、どこかしら内定を出してくれる会社はあるでしょう。

しかしその後の働きやすさや活躍を視野に入れるのであれば、十分なリサーチと準備期間を経て選考に臨むことが大切です。

育休明け転職を成功させる秘訣は?

最後に、育休明け転職を成功させる秘訣を解説します。

ブランクなく無事に転職したいときには、ぜひご参考ください。

まずは徹底した保活で預け先を確保する

まずは徹底した保活をして、子どもの預け先を確保します。

既に保育園から入園通知を受け取っており、申請時と同じ会社に復職する必要のない市区町村であればすぐにでも転職活動を始めて問題ありません。

しかし、まだ保育園が決まっていない場合、今すぐ転職活動をしても内定を得られる確率は非常に低くなります。

保育園が決まっていないと、採用側は「内定を出したとして本当に希望のタイミングで入社できるのか?」「預け先が見つからなければ結局内定を辞退されてしまうのでは?」という不安を抱き、他の人を優先して採用してしまうのです。

一方、「〇月から保育園に入ることが決まっています」と伝えられれば、採用側も安心して内定を出せるでしょう。

ただし、入園直後は慣らし保育期間があり、午前中のお迎えをお願いされることも多いです。

体調不良が起きやすいタイミングでもあるので、入社時期に余裕を持っておくことも大切です。

ママ社員が多い会社を探す

ママ社員が多い会社であれば、子どもの年齢に合わせた働き方に理解を示してくれるケースが多いです。

お互いに助け合いながら退勤するなど柔軟な対応ができることも魅力であり、仕事でも育児でも先輩社員として頼れる存在になるかもしれません。

また、ワーママの離職率が低い・ワーママを積極採用している企業も狙い目です。

当然ながらワーママの倍率が高くなるので自分の強みを活かした転職活動をする必要がありますが、無事に入社できれば理想に近い働き方ができそうです。

テレワークやフレックスタイム制度を導入している会社を探す

テレワークやフレックスタイム制度など、柔軟な働き方を導入している会社を探しましょう。

例えばテレワークの場合、終業後すぐに保育園へ行けるのでお迎えの時間が遅くなりすぎません。

朝の送迎が楽になったり、昼休憩のタイミングで洗濯機のスイッチを入れるなど簡単な家事ができたりする点も魅力です。

フレックスタイム制度を使う場合、夫の都合と調整しながら送迎担当を切り替えられるなど、家庭内の分担も柔軟にできます。

少し早めに仕事を切り上げて通院させたり、習い事の都合に合わせて曜日ごとにスケジュールを変えたりすることもできるでしょう。

スキルを活かせる会社を探す

ワーママとして転職する人が多数いるとはいえ、「小さい子どもを抱えているのに大丈夫?」と感じる採用担当者がいることも事実です。

一見マイナスポイントに見える部分をカバーするためには、自分のスキルを活かせる会社を探すのがおすすめです。

「募集分野での実務経験が〇年ある」「1ヶ月で〇万円の営業成績を記録して社内表彰されている」などアピールできる点があれば、積極的に伝えていきましょう。

他の応募者より魅力的だと感じてもらうことが採用につながるという点では、ワーママもそれ以外も変わりありません。

より選考通過率を上げるためにも、まずは自分の得意分野を書き出してみることが大切です。

入社直後から時短勤務できる会社を探す

時短勤務を希望する場合は、入社直後から時短勤務できる会社を探す必要があります。

意外と知られていませんが、一見福利厚生が充実している大企業であっても「入社して1年経過した人でしか時短勤務できない」など社内ルールを設けていることが多いです。

いざ内定を得てから「時短勤務できない」と判明するケースもあるので、注意しておきましょう。

入社直後から時短勤務できる会社は、ベンチャー・スタートアップ・中小企業などに多いです。

実力重視で評価してくれる会社なども、すぐに時短勤務できる可能性が高いです。

早めの情報収集・選考を意識する

ワーママ転職は子どもの預け先を確保してから始めるのがセオリーですが、情報収集は早めに着手して問題ありません。

特に、キャリアの棚卸し・自己分析・業界分析・履歴書や職務経歴書など応募書類の作成などは保育園が決まる前からでも着手できます。

小さな子どもを抱えながら1日に長時間を確保するのは難しいので、少しずつ進めておきましょう。

なお、上記の準備ができていれば、保育園が決まり次第すぐに選考へ応募できます。

早めに選考が進めばその分内定が出るタイミングも早くなりやすく、生活リズムを整える余裕もできるのでおすすめです。

ワーママ専門の転職エージェントを活用する

ワーママ向けの求人を効率よく探したい場合、ワーママ専門の転職エージェントを活用しましょう。

福利厚生が整っている企業・テレワーク導入済みの企業・ワーママが多い企業…など、一般の総合転職エージェントにはない求人が多いのが特徴です。

サポートしてくれるコンサルタントもワーママの労働事情に詳しく、専門的な立場からアドバイスしてくれるので頼もしい存在となります。

上記で解説したことのうち、保活以外のことは全てワーママ専門転職エージェントで叶えられるので、登録して損はありません。

なお、転職エージェントは完全無料で利用できるのが利点です。

キャリアコーチングサービスと違って料金が発生せず、家計に与えるダメージも一切ないので安心して使いましょう。

まとめ

育休明けすぐの退職は、法律上何の問題もありません。

職場環境は自分ひとりで解決できないことも多く、モヤモヤした不安を抱えたまま働くのであれば早めの退職を視野に入れてよいでしょう。

ただし、ワーママが働きやすい求人の割合はまだまだ低く、効率よく転職しないと保育園など預け先を失うことにつながりかねません。

ワーママ専門の転職エージェントであれば働きやすい求人の数が確保されており、質の高いアドバイスをもらえるので検討してみましょう。