育休明けすぐの退職は問題ナシ!転職を成功させる秘訣は?

                   

育休明けに無事復職したはいいものの、「思ったような働き方ができない」「想像以上に両立が難しい」などギャップを感じることは少なくありません。

ふと頭をよぎるのが、「退職」のキーワードではないでしょうか。

せっかく育休が明けたばかりなのにすぐ退職することに不安を感じるかもしれませんが、実はルール違反ではないので安心しましょう。

今回は、育休明けに退職を検討されている方に向けて、転職成功の秘訣をお伝えします。

注意点にも触れるので、あらかじめイメージしておきましょう。

育休明けの退職は可能!

育休明けの退職は、ルール違反ではありません。

「職業選択の自由」が認められている通り、育休取得の有無を問わず労働者であれば誰でも自由なタイミングで退職・転職できるのです。

退職を前提に育休を取得するのはNGですが、「復職後に理想の働き方が変わった」「育休明けに会社とのギャップが判明した」という理由で退職するのはOKです。

退職するタイミングで育児休業給付金の受給が変わる

育児休業給付金は、対象するタイミング次第で受給できる金額が変わります。

原則として、「退職を申し出たタイミングで受給終了」と思っておきましょう。

つまり、育休期間がまだ残っている段階で退職を伝えると、退職日までの分しか受給できないので要注意です。

一方、既に復職した後に退職で申し出たのであれば、既に育児休業給付金は全額受給済みなので金額に影響することはありません。

「育休明け」という微妙なタイミングにおいても、原則上記と同じ処理がなされます。

育休から復職してすぐに退職を申し出るのであれば、既に復職を迎えているので受給額は変動しません。

反対に、復職前の段階で申し出た場合、退職日次第では受給額に影響するので注意しましょう。

転職先が決まらなければ失業保険も受けられる

万が一次の職場が決まらなかった場合、失業保険を受けることも可能です。

失業保険を受給するには、下記の条件を満たす必要があります。

  • すぐにでも再就職する意思があること
  • 退職前の過去2年間で雇用保険に1年以上加入していること

「退職前の過去2年間で雇用保険に1年以上加入していること」については、育休給付金を受給できている段階で既にクリアしています。

「すぐにでも再就職する意思があること」については、保育園が見つからずすぐに働けない場合や既に退所してしまっていて預け先が確保できない場合、条件に該当しなくなるので要注意です。

ベビーシッターや両親のサポートを受け、保育園を使わずともすぐに再就職できるのであれば問題ないですが、非常にレアなケースと言えるでしょう。

とはいえ、育児が理由ですぐの再就職ができない場合は最大過去4年まで雇用保険の加入期間を遡ってもらえる制度があるので、あらかじめハローワークに相談しておきましょう。

育休明けの退職はこうした理由で起こる

次に、やむを得ず育休明け退職する理由を解説します。先輩ワーママがどのような理由で育休明け退職に至ったのか知りたいときに、お役立てください。

育休の満期を迎えるまでに保育園が決まらなかったから

育休の満期を迎えるまでに保育園が決まらないと、子どもの預け先を確保できません。子連れ出勤できる職場はまだまだ少ないので、どうしても復職できなくなってしまいます。

育休期間は原則として子どもが1歳の誕生日を迎える前日まで取得できますが、保育園が見つからないなどやむを得ない事情がある場合に限り、延長できます。半年ずつの延長で最長子どもが3歳になるまで取得できるので、その間に何とか保育園を見つけるのが先決です。

ただし、育児休業給付金を受給できるのは子どもが2歳になるまでなので注意しておきましょう。完全無給のまま社会保険料負担だけ生じるのを防ぎたいときは、遅くとも2歳までに保育園を確定させることが求められます。

就労時間と通勤時間のバランスが取れないから

就労時間と通勤時間のバランスが取れず、保育園の送迎ができないのも退職理由になります。

例えば、「保育園開園と同時に預けても就業開始時間に間に合わない」「急いでお迎えにいっても閉園時間を過ぎてしまう」という場合、両立ができません。フルタイムではなく時短勤務で復職しても、職場と自宅の距離次第では送迎に大きな支障が出てしまいます。

まずは、登園予定の保育園が何時から何時まで子どもを預かってくれるか、リサーチしておきましょう。時間外保育料金や利用者数も調べ、無理なく利用できそうかシミュレーションしておくことも大切です。

希望する職種・部署に復職できないことが分かったから

人事異動の時期が被り、希望する職種・部署に復職できない場合、仕事へのモチベーションが下がってしまいます。やりたい仕事を第一に入社したのであれば、特に落胆が強くなるかもしれません。

「〇〇部署の方が残業がなく、子育てと両立しやすいから」など配慮された結果の異動であるケースもありますが、希望と合わないと働いていて違和感を覚える可能性も高いです。

なお、育休明けすぐの人事異動は、違法ではありません。人事異動そのものは会社の指示で実施できることであり、小さな子どもがいることを理由に不利益な人事異動命令を出すのでなければ問題ないのです。

子どもや家族の体調が悪いから

子どもや家族の体調が悪いときや、障害対応や療育の必要性があるときは、仕事と両立できなくなることがあります。育休取得時は復職するつもりでいても、先々の体調を予見するのは難しく、やむを得ず退職することもあるでしょう。

また、同居家族だけでなく遠方に住む家族の介護など、思わぬ役割が生じることもあります。どうしても介護の人手が足りなくて手伝う必要があるときは、働くペースを見直す必要があるかもしれません。

ママ自身の体調が悪いから

ママ自身の体調が悪く、今まで通り働けそうにないときも退職がひとつの選択肢になります。産後の経過が悪いときや、産後うつでメンタルバランスが不安定なときも、無理しない方がよいでしょう。

場合によっては、保護者の療養を理由に保育園の申請が通るかもしれません。しばらく休養してから働いたり、フルタイムではなく時短勤務で復職したりする方法もあります。

また、テレワークを使って通勤のストレスを可能な限り減らすなど、新たな働き方も模索していきましょう。

夫の転勤が決まったから

夫の転勤が決まり、遠方に引っ越す必要が出たときは仕事を見直す必要があります。転勤先近くに自社の支店があれば異動できる可能性がありますが、人員計画次第では必ずしも異動できるとは限りません。

また、そもそも「転勤先近くに支店がない」「支店はあるが通勤できる距離ではない」など、両立しにくい環境に置かれることもあります。

その場合、転勤先で保育園探しと転職活動を進める必要があります。まずは保育園を確定させて預け先を確保しておけば、転職活動もスピード化しやすいので試してみましょう。

両親のサポートが受けられなくなったから

両親のサポートを前提に復職計画を立てていた場合、支え手が減ってしまうと復職できなくなる可能性があります。両親の怪我・病気・事故・災害などは予測しづらく、復職間近になってトラブルが起きるかもしれません。

保育園に入園申請できる時期を過ぎていた場合、復職しても預け先がなくなってしまいます。ベビーシッターやファミサポを使う手もありますが、毎日フルタイムで利用できるとは限らず、金銭的な負担も大きくなるので注意しましょう。

子どもとの時間を優先したくなったから

もともとは復職して働く予定でいても、どうしても子どもとの時間を優先したくなるときがあります。「小さいときだけでも一緒にいれる時間を伸ばしたい」「無理に復職して子どもの生活リズムに負担をかけたくない」と感じるときもあるでしょう。

親子のあり方は、家庭により千差万別です。周りの意見も参考にしつつ、最終的に家族全員が納得できる落としどころをみつけて、働き方を考えていくのがポイントです。

育休明けは退職より転職がおすすめな理由

育休明けに現職で就業し続けられないとなったとき、次の選択肢として「退職」か「転職」かが挙げられます。

退職の場合、一時的とはいえ専業主婦になるため注意しましょう。

よほどの事情がない限り、育休明けの働き方に迷ったときでも「退職」ではなく「転職」して働き続けることをおすすめします。

ここでは、退職より転職がおすすめな理由を解説します。

就労中でないと保育園に入れないから

保育園は基本的に保護者が働いている家庭の子を預かる場所であり、入園審査で必ず就労状況を聞かれます。

保護者のうち片方でも仕事をしていなければ、自宅保育可能とみなされるため原則入園はできません。

親の出産・療養・介護など就労以外の理由で預けたい家庭が優先されてしまうので、定員に余裕のある保育園でも実際に入園するのは難しいでしょう。

そのため、少なくとも子どもが3歳になって幼稚園に通えるようになるまで、無職期間が続くと考えておくのが無難です。

預かり保育に対応している幼稚園はまだまだ少ないことを考えると、復職できたとしても正社員ポジションに就くのは困難です。

保育園に入れたいと考えるのであれば、少なからず仕事は続けておいた方がよいでしょう。

子育て中でも安定した収入を確保できるから

退職ではなく転職を選択することで、子育て中でも安定した収入を確保できます。

保育園・幼稚園の無償化が進んでいるとはいえ、おやつ代・文具費・体操着などの服飾費・イベント費など意外にお金がかかるシーンは多いもの。

おむつや離乳食グッズ、習い事など生活にかかる費用も考えると、完全に無職になって収入が途絶えてしまうのは不安なものです。

正社員を続けていれば、パート・アルバイトのように「シフト量に応じて月収が変動する」などのリスクもありません。

毎月安定した収入を確保することで、先の見通しも立てやすくなります。

正社員歴にブランクがあると再就職しづらいから

正社員を辞めて専業主婦になったり、パート・アルバイトに切り替えたりすることも可能ですが、当然ながら正社員歴にはブランクが生じてしまいます。

「パートとして働き続けているからキャリアは途絶えない」と考えてしまいがちですが、正社員転職の際にはやはり正社員歴が求められるもの。

再就職時の大きなハードルになってしまい、ずっとパートから抜け出せなくなるリスクがあるので注意しましょう。

また、もし正社員として再就職できた場合でも、給料や待遇は新卒同等程度になることが大半です。

途切れなくキャリアを構築して、年齢とともに少しずつでも待遇を良くしていきたいのであれば、正社員のポジションはなるべく手放さないのが理想です。

社会とのつながりが途絶えてしまうから

退職して仕事のストレスから解放されるのがメリットのように感じる一方で、なかには「社会とのつながりが途絶えた」「孤独感が強くなって日々の生活に張り合いがなくなった」と感じる人も多いので注意しましょう。

仕事でストレスを感じることは確かに多いですが、その分顧客から感謝されたり、同僚から頼りにされたりするシーンも多いもの。

退職により働く喜びが一切なくなってしまったことで、子育て以外の逃げ道がなくなってしまうのも問題です。

もともと働くのが好きなタイプや、ずっと家にいるのが苦手な人は、特に退職ではなく転職を選択した方がよいでしょう。

後から気づいて再就職しようとしても、子どもの預け先問題やブランク問題に当たって思うように転職できないことも多いです。

育休明け転職を成功させる秘訣は?

最後に、育休明け転職を成功させる秘訣を解説します。

ブランクなく無事に転職したいときには、ぜひご参考ください。

まずは徹底した保活で預け先を確保する

まずは徹底した保活をして、子どもの預け先を確保します。

既に保育園から入園通知を受け取っており、申請時と同じ会社に復職する必要のない市区町村であればすぐにでも転職活動を始めて問題ありません。

しかし、まだ保育園が決まっていない場合、今すぐ転職活動をしても内定を得られる確率は非常に低くなります。

保育園が決まっていないと、採用側は「内定を出したとして本当に希望のタイミングで入社できるのか?」「預け先が見つからなければ結局内定を辞退されてしまうのでは?」という不安を抱き、他の人を優先して採用してしまうのです。

一方、「〇月から保育園に入ることが決まっています」と伝えられれば、採用側も安心して内定を出せるでしょう。

ただし、入園直後は慣らし保育期間があり、午前中のお迎えをお願いされることも多いです。

体調不良が起きやすいタイミングでもあるので、入社時期に余裕を持っておくことも大切です。

ママ社員が多い会社を探す

ママ社員が多い会社であれば、子どもの年齢に合わせた働き方に理解を示してくれるケースが多いです。

お互いに助け合いながら退勤するなど柔軟な対応ができることも魅力であり、仕事でも育児でも先輩社員として頼れる存在になるかもしれません。

また、ワーママの離職率が低い・ワーママを積極採用している企業も狙い目です。

当然ながらワーママの倍率が高くなるので自分の強みを活かした転職活動をする必要がありますが、無事に入社できれば理想に近い働き方ができそうです。

テレワークやフレックスタイム制度を導入している会社を探す

テレワークやフレックスタイム制度など、柔軟な働き方を導入している会社を探しましょう。

例えばテレワークの場合、終業後すぐに保育園へ行けるのでお迎えの時間が遅くなりすぎません。

朝の送迎が楽になったり、昼休憩のタイミングで洗濯機のスイッチを入れるなど簡単な家事ができたりする点も魅力です。

フレックスタイム制度を使う場合、夫の都合と調整しながら送迎担当を切り替えられるなど、家庭内の分担も柔軟にできます。

少し早めに仕事を切り上げて通院させたり、習い事の都合に合わせて曜日ごとにスケジュールを変えたりすることもできるでしょう。

スキルを活かせる会社を探す

ワーママとして転職する人が多数いるとはいえ、「小さい子どもを抱えているのに大丈夫?」と感じる採用担当者がいることも事実です。

一見マイナスポイントに見える部分をカバーするためには、自分のスキルを活かせる会社を探すのがおすすめです。

「募集分野での実務経験が〇年ある」「1ヶ月で〇万円の営業成績を記録して社内表彰されている」などアピールできる点があれば、積極的に伝えていきましょう。

他の応募者より魅力的だと感じてもらうことが採用につながるという点では、ワーママもそれ以外も変わりありません。

より選考通過率を上げるためにも、まずは自分の得意分野を書き出してみることが大切です。

入社直後から時短勤務できる会社を探す

時短勤務を希望する場合は、入社直後から時短勤務できる会社を探す必要があります。

意外と知られていませんが、一見福利厚生が充実している大企業であっても「入社して1年経過した人でしか時短勤務できない」など社内ルールを設けていることが多いです。

いざ内定を得てから「時短勤務できない」と判明するケースもあるので、注意しておきましょう。

入社直後から時短勤務できる会社は、ベンチャー・スタートアップ・中小企業などに多いです。

実力重視で評価してくれる会社なども、すぐに時短勤務できる可能性が高いです。

早めの情報収集・選考を意識する

ワーママ転職は子どもの預け先を確保してから始めるのがセオリーですが、情報収集は早めに着手して問題ありません。

特に、キャリアの棚卸し・自己分析・業界分析・履歴書や職務経歴書など応募書類の作成などは保育園が決まる前からでも着手できます。

小さな子どもを抱えながら1日に長時間を確保するのは難しいので、少しずつ進めておきましょう。

なお、上記の準備ができていれば、保育園が決まり次第すぐに選考へ応募できます。

早めに選考が進めばその分内定が出るタイミングも早くなりやすく、生活リズムを整える余裕もできるのでおすすめです。

ワーママ専門の転職エージェントを活用する

ワーママ向けの求人を効率よく探したい場合、ワーママ専門の転職エージェントを活用しましょう。

福利厚生が整っている企業・テレワーク導入済みの企業・ワーママが多い企業…など、一般の総合転職エージェントにはない求人が多いのが特徴です。

サポートしてくれるコンサルタントもワーママの労働事情に詳しく、専門的な立場からアドバイスしてくれるので頼もしい存在となります。

上記で解説したことのうち、保活以外のことは全てワーママ専門転職エージェントで叶えられるので、登録して損はありません。

なお、転職エージェントは完全無料で利用できるのが利点です。

キャリアコーチングサービスと違って料金が発生せず、家計に与えるダメージも一切ないので安心して使いましょう。

ワーママ専門の転職エージェントを使った方がいい理由

ここでは、ワーママ専門の転職エージェントを使った方がいい理由について、深堀りしながら解説します。

なぜ圧倒的な求人数を誇る総合型転職エージェントではなく、あえてワーママ専門の転職エージェントを使うのか、チェックしてみましょう。

ワーママ歓迎の求人を多く扱っているから

ワーママ専門の転職エージェントには、その名の通りワーママ歓迎の求人が多く集まります。

入社時からママとしての働き方に一定の理解を示してくれるので、子どもの急な発熱や学校でのイベントがあっても大きな支障がありません。

むしろ「そういうこともあるよね」と理解して業務を調整してくれるなど、ワーママにとって頼もしい社風が構築されていることが多いです。

一般的な転職サイトおよび転職エージェントでも、ワーママの多い企業の求人は掲載されています。

ただし、「結婚・妊娠・出産を経てワーママになった既存社員」が多いだけで、「入社時既にワーママだった人」は意外と少ないケースもあるので要注意。

どうしても急な欠勤の多いワーママは積極採用してくれず、書類選考の段階で不合格になってしまうこともあります。

であれば最初からワーママ歓迎の求人に狙いを定めた方が、効率よく転職できるのです。

 時短勤務やテレワークの取得可否に詳しいから

ワーママ専門の転職エージェントでは、時短勤務を取得できるタイミングやテレワークできる頻度について、あらかじめ情報収集してくれます。

特にワーママはフレキシブルな働き方を希望する人が多く、どうしても子どもの都合に合わせて働くのが第一になりがち。

しかし求人要項に具体的な働き方まで記載されていることは少ないので、いざ面接となってミスマッチに気づくことも多いです。

あらかじめ働き方に関する情報収集ができているのであれば、選考に進んでからミスマッチに気づくことを防げます。

採用側・応募側どちらにとってもwin-winな取り組みなので、積極的に活用していきましょう。

また、ワーママ専門の転職エージェントには、入社直後から時短勤務できる求人やテレワーク導入済み企業の求人が多く集まるのもメリットです。

在籍中のワーママ数など詳しい情報を教えてもらえるから

ワーママ専門の転職エージェントでは、働き方に関する情報だけでなく既存社員に関する情報も教えてもらえますか。

在籍中のワーママがいるか、何人程度いるのか、どの部署でどんな働き方をしているかなど、情報収集の場として活用しましょう。

また、ワーママのキャリアプランを聞くこともでき、内定を得るだけでなくその後のキャリアアップや昇進まで視野に入れられます。

どの程度産休・育休・有給休暇が使われているかなども質問しておけば、入社後のリアルな姿がイメージできるのもメリットです。

ワーママ向けの書類対策・選考対策ができるから

ワーママが確実に内定を勝ち取ることに特化した書類対策・選考対策ができるので、転職活動をスピード化できます。

例えば、ワークライフバランス重視での転職になりやすいワーママは、転職理由や志望動機をどう伝えればいいか迷ってしまいがち。

志望動機が「テレワークできるから」「ワーママに優しいから」だけでは自分本位な理由になりやすく、かといって他にアピールできるポイントがない…と感じていると、転職にも後ろ向きになってしまいます。

ワーママ専門の転職エージェントであれば、自分の経験やキャリアイメージを可視化するところから支援してくれるのがポイント。

説得力の高い転職理由・志望動機にアレンジでき、内定に一歩近づきます。

時短勤務の条件交渉に慣れているから

時短勤務を希望するワーママが集まる転職エージェントの場合、時短勤務の条件交渉もスムーズです。

「6時間勤務した場合の月収」「時短勤務者の賞与査定基準」「入社直後から時短勤務したいが可能か」など、細かな質問はあらかじめ転職エージェントのキャリアアドバイザーに伝えておきましょう。

大きく条件から外れる求人はあらかじめブロックしてくれるので、選考を進めるうちにミスマッチが発覚することもありません。

総合型の転職エージェントの場合、そもそも時短勤務が前提となっていないため、時短勤務自体に難色を示されることが多いので要注意。

時短勤務で交渉してもらおうにも、ノウハウがなくフルタイム就労できる人が優先されてしまうこともあります。

無理のないペースで働けるようにしたいときにこそ、専門型のエージェントを頼りましょう。

育休明けに退職または転職するときの注意点

ここでは、育休明けに転職または転職する場合の注意点を解説します。

退職を申し出てから後悔しないよう、あらかじめデメリットも含めて確認しておきましょう。

保育園の入園審査に影響する場合がある

退職して仕事がなくなると、保育園の入園審査に影響する場合があります。

基本的に、保育園は保護者の就労(もしくは介護・療養など)により「保育に欠ける家庭」が利用する福祉施設です。

相当な空きがない限り、専業主婦家庭が利用するのは難しいので注意しておきましょう。

退職した途端に入園審査の点数が下がり、どこにも合格できなくなった、というケースは珍しくないのです。

また、既に入園通知をもらっていても、申請したときと同じ会社に復職しなければ入園取り消しになる市区町村もあります。

すでに復職証明書を提出していて問題なく保育が始まっていても、退職から3ヶ月以内に仕事を見つけて入社していないと退職、など細かなルールが決まっていることもあるので事前にチェックしておきましょう。

子どもの預け先が決まっていないと転職しづらい

万が一保育園が決まる前に退職を申し出てしまい、預け先を確保できなくなった場合は転職へのハードルがグッと上がります。

子連れで働ける会社の数はまだまだ少なく、働けたとしても超短時間のパートのみになってしまいます。

正社員として転職する道がかなり閉ざされてしまうので、まずは保育園など預け先の確保から始めましょう。

ママが働きやすい求人の割合は少ない

ワーママでも転職することはもちろん可能ですが、「ママが働きやすい会社」の求人はまだまだ少ないのが現状です。

入社してすぐは時短勤務が取得できなかったり、残業・休日出勤しないと十分な業務量をこなせなかったりする会社も多いです。

一見ワーママが使いやすい福利厚生が整っていても、利用している社員がほとんどいなくて形骸化していることも少なくありません。

「転職すること」だけを考えるのであれば、どこかしら内定を出してくれる会社はあるでしょう。

しかしその後の働きやすさや活躍を視野に入れるのであれば、十分なリサーチと準備期間を経て選考に臨むことが大切です。

退職する会社への印象を良くする方法

育休明けすぐの退職は法律的に全く問題ないものの、「なんとなく気が引けてしまう」「職場に迷惑がかかると思うと言い出せない」という方は多いでしょう。

実際に育休明け退職についてネガティブなイメージを持っている人もいるので、なるべく印象を損ねないよう対策が必要です。

ここでは、育休明け退職の印象を良くする方法を解説します。

あまりにも印象が悪いと退職時に話がこじれてしまう可能性もあるので、要注意です。

退職理由は嘘をつかず誠実に伝える

直属の上司や人事部に、嘘の退職理由を伝えるのはNGです。

どうしても角の立たない退職理由を伝えたくて「夫の転勤が決まった」「子どもの体調が悪い」と話してしまいたくなる気持ちがあっても、グッとこらえて本当の理由を伝えましょう。

本当に転勤や体調不良が理由であればそのまま伝えて問題ありませんが、万が一嘘だった場合、バレたときには大きく信頼を損ないます。

まずは正直な理由を伝え、同僚・部下・後輩にどう伝えるかは上司や人事と改めて相談、の流れを踏むのがおすすめです。

「やむを得ず退職する」というスタンスを貫く

育休明け退職は労働者の権利であり、誰が止めることもできません。

とはいえ、「育休明けのワーママが働きにくい環境にしている会社側が悪い」「育休明け退職の何が問題なのかわからない」というスタンスでいると、反感を買ってしまいます。

大前提として、育児休業給付金は同じ会社への復職を前提としている制度であることを理解しておきましょう。

明らかな悪意をもって育休明け退職するのはルール違反であり、不正に育児休業給付金を受給していると疑われてしまう可能性があります。

また、職場の人は復職してくれる前提で人員計画や業務量を組み立てているため、突然退職と言われて戸惑ってしまうこともあるはず。

職場では、あくまでも「やむを得ず退職する」というスタンスを貫き、不要な衝突を避けた方がよいでしょう。

同僚や取引先にもきちんと説明してから退職する

同僚や取引先にどう説明するかは上司・人事部と相談しながら決めるのが理想ですが、説明もないまま退職するのは避けましょう。

簡単な理由だけは伝えて退職の挨拶をしておき、「気づいたらいなくなっていた」という事態を回避するのがポイントです。

退職手続きだけ漏れなく完了していれば問題ないと考えてしまいがちですが、最低限の礼儀は尽くしておくのがおすすめ。

その後の引継ぎにも影響するので、自分のやりやすい環境を整えるためにも、退職前の挨拶はきちんとしておきましょう。

急な退職をなるべく避ける

都合があってやむを得ず急な退職になってしまうこともありますが、その場合は判明した時点ですぐに連絡しましょう。

「どう伝えればいいかわからない」「繁忙期を過ぎてから相談した方がいいかもしれない」と気を揉んでいるうちに、あっという間に退職したいタイミングがきてしまいます。

会社側が設けている退職までの相談期日を過ぎてしまったり、急な退職すぎて引継ぎや相談が間に合わなかったりすると、印象も一気に悪くなってしまうでしょう。

少しでも早めに相談しておけば、人員数や業務量を調整できる余裕が生まれます。

業務の引継ぎには全力で協力する

育休明けすぐに退職する場合、育休中に担当分野を代わってくれていた人がいるため、最小限の引継ぎで済むことが多いです。

とはいえ、引継ぎに非協力的な姿勢を示すのはNG。

自分がわかる部分だけでもわかりやすくマニュアルにまとめておいたり、引継ぎ漏れが起きてる箇所がないか改めてチェックしたりすることが大切です。

また、退職までの間に任せられた仕事は確実にこなし、少しでも貢献する姿勢を見せておくのも大切です。

気持ちよく送り出してもらえるか、ネガティブなイメージのまま仕方なく退職日当日を迎えるかは、それまでの働き方にかかっていると思いましょう。

育休明けに退職・転職した体験談

最後に、育休明けに退職・転職した体験談を紹介します。自分と似た事例がないかチェックし、参考にしてみましょう。

体験談①購入したマイホームから通勤できず退職した事例

育休中にじっくりマイホーム探しをした結果、夫婦ともに納得できるのが元職場から片道2時間かかる場所に落ち着きました。復職のことを考えるとためらう気持ちも大きかったですが、元そいた場所周辺にはちょうどいい土地がなく、今後何十年も住むことを考えると無理に妥協できないという気持ちもあり、話し合いながら決めました。

職場には申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが、通勤できないことが分かった段階ですぐに相談し、退職手続きに進みました。無職での保育園探しだったのでまずは認可外の園に入れ、その後転職活動をしてから認可保育園に転園しています。今の通勤時間は片道30分程度で、職場の人間関係もよく、あのとき思い切ってよかったのかもと感じています。

体験談②夫の転勤先近くに自社の支店がなかった事例

育休明けまであと2ヶ月というタイミングで、夫の転勤が決まりました。単身赴任してもらうことも考えましたが、期限付きの転勤ではなく、戻ってこられるかも定かでなかったので私と子どももついていくことに決めました。両家ともに遠方で、完全ワンオペ育児になる不安もあったと思います。

会社にはすぐに報告し、とても残念がっていただきましたが辞めるしかありませんでした。小さな子どもを連れての引っ越し、転勤先での保育園探し、再就職と相当忙しい日々が続きましたが、子どもが5歳になる今は生活が安定しています。

家族離れ離れの生活にならなかったので、今はこのスタイルでよかったと感じています。

体験談③人事異動があり希望する職種でなくなった事例

復職前の大型人事異動の際、もともとの営業部署からバックオフィス部署に変わることになりました。バックオフィス部署の人員が足りなかったこともありますが、クライアントからいつ呼び出されるかもわからない営業職を、子育てしながら務めるのは難しいだろうという配慮もあったようです。

職場からの配慮をありがたいと思う一方で、営業をしたくて入社したのでかなりの葛藤がありました。既に保育園は決まっていたので同時に転職活動をしたところ、テレワークやフレックスタイム制度が充実している今の職場の求人を発見。エージェントの力も借りて、なんとか選考に通過しました。

インセンティブ給の割合が高く、成果に応じてしっかり評価してもらうことができるので、子育て中でもキャリアアップできていると感じます。異動が決まったときはかなり慌てましたが、自分が好きな仕事を継続できてよかったです。

体験談④子育てとの両立のため働き方を見直した事例

子どもがかなり風邪をひきやすい体質で、育休明けに一度復職したはいいものの、1ヶ月で数日しか出勤できない状態が続きました。休みがちなので保育園の慣らし保育も全く進まず、親子ともに疲れ切っている状態が続いてストレスでした。当然有給もなくなってしまい、金銭的にも厳しかったのを覚えています。

なんとか子育てと両立しやすい仕事はないかと転職活動を始め、いまではテレワーク中心かつ時短勤務できる会社で働いています。通勤時間がない分早くお迎えに行けるようになって生活リズムが安定したからか、年齢とともに少しずつ体が強くなったからか、今では子どもも月の大半を保育園で過ごせるようになりました。

また環境が変化する小学校入学のときには、体調を崩しやすくなるかもしれません。テレワークや時短勤務であれば比較的すぐにお迎えに行けるので、私の精神的な安心にもなっています。

まとめ

育休明けすぐに退職は、法律上何の問題もありません。

早めに退職の相談をしておけば引継ぎや人員調整の負担を軽くでき、「立つ鳥跡を濁さず」で退職できます。

ただし、ワーママが働きやすい求人はまだまだ少なく、一度完全に退職してしまうと再就職しにくいのも事実です。

よほどの事情がない限り、正社員としてのポジションを続けるためにも「退職」ではなく「転職」を意識しておきましょう。

リアルミーキャリアでは、育休明けの転職も最大限サポートしています。

「入社直後から時短勤務したい」「時短勤務した場合の年収がわからず転職に踏み切れない」などの困りごとがある方は、お気軽にご相談ください。

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