育休が終わって職場に復帰すると、上司や同僚から「マタハラ」を受けてしまうことも少なくありません。
ただでさえ忙しい子育てにストレスを感じているのに、会社で嫌がらせを受けてはたまったものではないですよね。思い悩み、退職や転職を考えているママも多いのではないでしょうか。
今回は、マタハラの基礎知識や該当するケース、マタハラで退職・転職する際の注意点などを紹介していきます。
マタハラは、正式名称を「マタニティハラスメント」といい、主に妊娠・出産や子育て中の女性に不快な思いをさせたり、不利益を与えたりすることを指します。マタハラは、上司や同僚のほか、会社そのものが慣例として行うことも少なくありません。
たとえば、妊娠を報告すると上司から嫌味を言われる、産休に入る前に退職するように指示をされる、出産後に異動を命じられるなど、さまざまなケースが該当します。
厚生労働省が平成28年に行った「都道府県労働局雇用環境・均等部での法施行状況」調査によると、雇用環境・均等部(室)に寄せられたマタハラ関連の相談件数は、全体の約35%にものぼりました。多くの女性が、実際にマタハラを受けて思い悩んでいる現状があります。
もちろん、妊娠や出産は悪いことではなく、男女雇用機会均等法や育児・介護休業法でも、労働者の妊娠・出産などを理由に不利益な扱いをすることを禁じています。
正社員だけでなく、派遣社員やアルバイト、パートのママであっても同じことです。ママ本人が働きたいという意思を持っている限り、上司や同僚がとやかく言う権利などありません。しかし、実際のマタハラ相談件数からもわかるように、残念ながら法律を無視してマタハラを行う会社が多いのも事実です。
育休復帰後は、とくにマタハラを受けやすいタイミングなので注意が必要です。たとえば、育休前は主任など現場をまとめる役職だったのに、復帰後は役職を解かれて給与も下がってしまったというケース。
これは、代表的なマタハラ事例といえます。ほかにも、任される仕事の量や範囲が明らかに小さくなったり、転勤やパートなど非正規雇用への変更を命じられたりする場合も珍しくありません。ストレートに退職を勧められることもあります。
こういった直接的な嫌がらせのほかに、言葉や態度によるマタハラも多いです。「時短勤務をされるとまわりに迷惑がかかるんだよね」「子供の病気でたびたび休むなら辞めてほしい」「子供がいるからって残業しなくていいのはずるい」などの嫌味も、立派なマタハラになります。
降格や配置換えなど、目に見える変化がなくてもマタハラに該当するということは、会社側にしっかり理解しておいてほしいところですね。
納得のいかない異動や嫌がらせの毎日に、「もうこんな会社辞めたい」と思うママもいるでしょう。会社の思惑通りに退職するのは悔しいですが、働き続けるのが苦しいなら無理をする必要はありません。
まず、離職票に記載される退職事由は自己都合ではなく会社都合にしてもらいましょう。自分から退職するのだから自己都合になると思い込むママも多いですが、マタハラが理由なら会社都合にすることもできます。会社都合は自己都合より失業保険を早く受け取れますし、給付日数も長くなる可能性があるので有利です。
なお、退職するときに会社から「退職願を出して」と言われても従ってはいけません。退職願を出すと、自己都合退職として扱われてしまう可能性が高いのです。
マタハラが原因で転職する場合、面接ではマタハラを受けて退職したことは必要以上に言わないようにしましょう。自分に非がないとはいえ、マタハラの詳細ばかりと話すと悪口や愚痴っぽくなってしまうことがあり、面接官の心証が悪くなる可能性があります。
また、転職先の会社はできるだけ育児に理解がある社風のところを選ぶことも大切です。女性社員が多かったり、育児中のママへの支援を積極的に打ち出したりしている会社なら、再びマタハラにあうリスクも減ります。
子育てに理解のある会社を探す際は、ワーママ専門の転職エージェントを使うと良いでしょう。育児中の女性が働きやすい環境が整った会社を見つけやすいですし、エージェントが転職をサポートしてくれることもあるので便利ですよ。
自分に非はないのに、妊娠出産したというだけでマタハラを受けるのは本当につらいし悲しいもの。マタハラをずっと我慢していると、家庭にも悪影響が出てしまうかもしれません。せっかくの子供との時間も気持ちがふさがり、楽しめなくなることもありえます。
会社がマタハラの解決に積極的ではないなら、思い切って転職するのもひとつの方法です。今よりもっとのびのびと楽しく働くためにも、あなたがいきいきと活躍できる会社を探してみてはいかがでしょうか。
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