ワーママ転職のよくある事例(4)「接客業から転職したい!」編

                   

もともと接客業が大好きでやりがいを感じていた人でも、「子どもが生まれてから接客業が難しくなってきた」と思うことが多いです。仕事内容に対するやりがいとプライベートとの両立が見合わなくなり、別職種への転職を検討する接客業ワーママもいます。

本記事では、接客業から転職したいワーママに向けて、転職ノウハウを解説します。接客業経験が豊富な人におすすめの職種や具体的なキャリアチェンジ対策にも触れるので、参考にしてみましょう。

ワーママが接客業から転職を考える主な理由

まずは、ワーママが接客業から転職を考える主な理由を解説します。なぜワーママになると「接客業が好き」だけで続けるのが難しくなるのか、やりがい以外の面で障壁となる部分を探っていきましょう。

シフト勤務で保育園の送迎が難しくなるから

接客業の場合、勤務先が朝早くから夜遅くまで稼働していてシフト制勤務になることが多いです。早番・中番・遅番など勤務時間帯がいくつかに分割されているので生活リズムが乱れやすく、保育園・学童への送迎時間もバラバラになってしまいます。

結果、「保育園の閉所までにお迎えに行けない」「子どもの勘違いで早く下校してしまい留守番時間が長くなった」などのトラブルが発生することも。保育園や子どもとの調整がうまくいかず、両立は難しいと考えるワーママが多いのです。

職場によっては固定のシフト時間帯だけに限定して雇い続けてくれる場合もありますが、正社員でフルタイム就労の場合は基本的にシフト勤務への対応が必須です。時短勤務にしてもどこまで融通を利かせてもらえるかは、職場次第と言えるでしょう。

よほど柔軟に対応してくれる職場でない限り、物理的に継続が難しくなって転職を考えるしかなくなります。

土日祝日の勤務が必須だから

接客業が最も忙しくなるのは土日祝日や、夏休み・お盆・年末年始など長期休暇中です。

日曜・祝日は保育園や学童がお休みであることが多く、子どもの預け先に苦慮することが多くなるでしょう。土曜保育に対応している保育園であっても、「利用者が少なくて子どもが退屈になる」「お弁当が必要で朝晩の負担が増える」などのデメリットがあります。

また、お盆や年末年始は閉所している保育園も多いので、事前の確認が欠かせません。

いずれの場合でも、夫婦で役割分担しながら休みをズラして対応できるのであれば問題ないでしょう。または近居している健康な祖父母がいて、手を借りられるのであれば頼ってしまうのもひとつの手段です。

とはいえ全ての家庭が夫・両親の協力が得られるとは限りません。子どもの預け先がなくなることを懸念して、接客業から他職種へのキャリアチェンジを望むワーママも多いです。

休日が少ないから

接客業は休日が少ないことが多く、また休日のサイクルも不定期です。お盆・年末年始・ゴールデンウィークなど世間一般が連休であるとき、接客業の人はほぼ休みが取れないこともあります。「せっかく子どもが休みなのに自分が仕事で全く遊んであげられない」と罪悪感を覚え、転職を検討するワーママも多いです。

仕事だけでなくワークライフバランスの充実も図りたいときや、まだまだ手のかかる年齢の子どもがいるときは、休日の少なさが大きなデメリットとなるでしょう。

そもそも長期休暇中の預け先を確保できない場合、接客業からの転職が必須です。ホテル・飲食・小売などの場合は24時間営業で夜勤が必要になることも多いので、本当に両立できるか慎重に判断していきましょう。

フル出社が前提で柔軟な働き方ができないから

接客業は基本的にフル出社が求められる職種であり、テレワークができません。オンライン接客できる企業も少しずつ増えていますが接客業全体における割合はまだまだ少なく、「出勤しないと仕事にならない」ことが大半です。

また、しっかりシフトを組んでスタッフの手が足りるよう事前に対策しているため、フレックスタイム制や中抜けなどの働き方も難しいのが現状です。

そのため、体調不良な子どもの看病・通院の付き添い・習い事の送迎などに対応しづらくなるのがデメリットです。「中抜けできれば送迎だけ担当できるのに…」「テレワークできれば学級閉鎖時も働けるのに…」など、さまざまなジレンマを抱えるかもしれません。

多様な働き方が認められるようになっている今の時代だからこそ、他職種がテレワークやフレックスを使ってフレキシブルに働いているのが羨ましく感じられることも多いです。

子育てと両立しながらキャリアアップする将来像が見えないから

接客業が好きでなんとか仕事やプライベートを調整しながら勤続することができても、キャリアアップできるかは別問題です。

接客業でキャリアアップする場合、店長やマネージャーなど管理する側に回る必要が出てきます。とはいえ時短勤務のままマネージャー業ができる企業は少なく、どうしてもフルタイムでの就労や残業・休日出勤の対応が求められてしまうので注意しましょう。

結局子どもの手が完全に離れるまでキャリアアップできず、何年も同じ業務内容を繰り返すだけの毎日になることも。子どもの手が離れる頃には年下の上司がいたり、マネージャーポジションが埋まってしまっていたりすることも考えると、確実にキャリアアップできる保証がありません。

仕事にやりがいを求める人ほど、接客業ではなく他の職種でキャリアアップを目指そうという思考に変わっていきます。年収や待遇を少しずつ向上させるためにも、早い段階で他職種に移ってしまうのはひとつの手段と言えるでしょう。

接客業から転職する人におすすめの業種・職種

ここからは、接客業から転職する人におすすめの業種・職種を解説します。完全未経験での転職にはなりますが、下記の業種・職種であれば接客業での経験が活きるシーンも多いので検討してみましょう。

営業職

営業職は、接客業時代に培ったコミュニケーション能力や提案力を活かせる仕事です。営業職では特に顧客と良好な関係性を構築することが求められるので、優れたコミュニケーションを活かして相手に信頼してもらうことができれば営業成績も良くなります。

他にも、多様なニーズがあることを理解してフレキシブルに提案するスキルや、相手の表情や声色を見ながら臨機応変に対応するスキルも営業職で活かせるでしょう。

また、接客業で必須となる販売実績管理などの経験も、十分にアピールできます。営業職や成約率や契約単価にこだわる職種なので、販売実績など明確に目に見える実績をアピールできる人であれば採用の可能性が高くなります。

事務職

接客業自体に培った「在庫管理」「シフト管理」「取引先や仕入れ先との調整」などの経験を活かし、事務職に転職するワーママも多いです。事務職はどの業種でも必ず必要なので求人数が多いのがポイント。Excelで関数やPivotテーブルが使えるなど一定の事務処理能力があれば、採用の確率もグッと上がります。

カスタマーサポート

カスタマーサポートとは、顧客からが抱える課題・問題を解決したり問い合わせ対応をしたりする職種です。コールセンターなどに出勤して電話・メール等で問い合わせ対応する企業もあれば、チャットやオンラインミーティングツールを使って問い合わせ対応できるためテレワークできる企業まで、近年は多様化が進みました。

接客業経験があると「相手の話に耳を傾けること」「手短なコミュニケーションでも相手のニーズを正確に把握すること」などのスキルが自然に身についていることが多く、カスタマーサポート分野でも活躍できます。

接客業からの転職で特におすすめなのは「営業職」

接客業からの転職で特におすすめな職種は、営業職です。

営業職は成約率や契約単価など数字で評価されることが多く、目に見える実績のある人はどんどん評価されていくのが特徴です。成果を出せれば年収・待遇も上がっていき、キャリアアップの道が開けることも。なかにはフルタイムでも時短勤務でも一律の評価制度を適用している企業があり、時短勤務であっても成果次第では高い年収や賞与(インセンティブ)を得ることができます。

また、営業職は業界を問わず転職できるのもメリットです。営業経験があり、確かな数字を上げている人であれば、商材が変わっても柔軟に対応できるでしょう。テレワーク比率も高く、求人数も多く可能性が開けているからこそ、接客業から営業職に転職するワーママが増えているのです。

(※)引用:国土交通省「令和3年度テレワーク人口実態調査」より

反対に、一般事務は特別なスキルがなくてもできてしまうため給与が低く、求人数も少なめです。数字で評価されにくい仕事内容だからこそキャリアアップの道も開けません。出社比率も高いので、テレワークを希望するワーママにとっては働きにくい環境となることも多いです。

カスタマーサポートの場合、テレワークできる可能性はありますがクレーム対応やシフト勤務を求められることも多く、ストレスフルな働き方になりがちなので要注意。営業職や販売職ほど数字を求められないからこそ、キャリアアップも難しくなります。

接客業から営業職に転職するときのコツ

ここからは、ワーママが接客業から営業職に転職する場合を想定し、転職ノウハウを解説していきます。まずは転職時のコツから解説するのでチェックしてみましょう。

目に見える数字で実績をアピールする

営業職に転職するときは、前職における成果を「目に見える数字で」伝えることが大切です。前職が販売職であれば、販売実績・1ヶ月あたりの売上額・顧客数などをアピールするのが近道です。また、入社してからの販売実績が伸びていることを数字で示すなど、自分が確実に成長してきた軌跡を伝えるのもよいでしょう。

その他、数字ではないものの転職に役立つデータを伝える方法もあります。販売手法・顧客属性(年齢・性別・家族構成などのペルソナ)を伝えることで、応募先との関連性を探ることも可能です。直接営業職としての経験がなくても、似たような手法で顧客アプローチしてきた販売職の人や、似たような顧客属性をターゲットとしてきた販売職の人であれば「即戦力になるかも」と評価してもらうことが可能です。

マネジメント経験・教育経験をアピールする

接客業でマネジメントや教育を担当した経験があれば、積極的にアピールしましょう。営業職でもマネジメントや教育は必須であり、部下や後輩の育成・指導に当たる機会は多くなります。むしろ営業職としてキャリアアップしたいのであれば、現場で数字を上げるスキルだけでなくマネジメントスキルも必須となるため、転職時から備わっているのが理想とされています。

マネジメント経験を伝えるときは、自分の役割・職域(役職)・マネジメント人数・社数などを明確にリストアップしておくのがおすすめです。仕事内容や業務の幅をリアルに伝えることができれば、応募先とのマッチ度合いもわかります。

転職エージェントでできる営業職へのキャリアチェンジ対策

最後に、転職エージェントでできる営業職へのキャリアチェンジ対策を解説します。

自分ひとりで転職することも可能ですが、転職エージェントを使うとより効果的かつ効率的に転職できるのがメリット。特に日々忙しいワーママの場合、短期決戦で転職活動に臨むのが理想的なので、下記を参考にしてみましょう。

ワーママでも仕事と両立しやすい時短勤務求人を紹介してもらう

転職エージェントでは、求職者の理想に合った求人を厳選して紹介してくれます。ワーママ特化型の転職エージェントであれば時短勤務できる営業職求人やテレワークできる営業職求人の割合が高く、働き方に無理が生じにくいのがポイント。ただ転職に成功するだけでなく「ワークライフバランスを視野に入れた転職」ができるので、長く腰を据えて働ける職場が見つかります。

また、「将来的にはフルタイムに戻ることを考えている」などの相談もできます。時短勤務でもフルタイムでも働きやすい職場を紹介してもらったり、反対に時短勤務の取得制限がない企業を紹介してもらったりできれば、理想的な転職が叶います。

販売実績を自己PRに変える方法を学ぶ

販売職での経験をどう営業職用の自己PRに変えていくか、迷ってしまうワーママは多いです。

具体的にどんな数字をどうアピールするのがよいか、アピールできる数字がない時は何を伝えるべきかなど、個別にアドバイスしてもらいましょう。テンプレートをコピーしただけではない完全オリジナルの自己PRができれば、魅力を正確に伝えることができ入社後のミスマッチも防げます。

また、履歴書・職務経歴書にどう自己PRを盛り込むかだけでなく、面接を想定した実践的な模擬トレーニングができるのも転職エージェントならではのメリットです。ワーママ特化型の転職エージェントであれば「子どもが大きくなってからのキャリアイメージ」「仕事とプライベートの両立について」など答えに迷ってしまうような質問にも対策できるので、上手に活用していきましょう。

キャリアチェンジしたい理由や今後のキャリアプランを可視化する

販売職から営業職にキャリアチェンジする場合、確実に「なぜ販売職で転職しないのか」

「なぜ数ある職種のなかでも営業職を希望しているのか」と聞かれます。キャリアチェンジしたい理由と、転職理由および志望動機が一致していると、説得力の高い応募になります。

反対に、どこかに齟齬があったり一貫性がなかったりすると、応募先に不安を与えてしまうので要注意。転職を検討する段階から実際に応募先を選定するに至るまでの、明確なストーリーを考えておきましょう。

転職エージェントでは、キャリアチェンジしたい理由はもちろん、今後のキャリアプランに至るまで個別に可視化するサポートを提供しています。ワーママ特化型の転職エージェントであれば、そこに「子育て」「家庭との両立」などのキーワードを入れながら分析する手伝いをしてくれるので、より自分が考える転職理由にマッチする内容にできます。

まとめ

接客業は非常にやりがいのある仕事ですが、ワーママとして子育て・家庭との両立しながら働くことを考えると、物理的に厳しいと感じるシーンも多いです。早番・中番・遅番を含むシフト勤務やテレワークできない職種であることを懸念し、他職種に転職するワーママも少なくありません。

接客業から転職する場合、特におすすめなのは営業職です。「リアルミーキャリア」では、時短勤務もできる営業職求人を多数取り扱っています。完全未経験でも転職に向けて対策することができるので、接客業からのキャリアチェンジをご検討中の人はお気軽にご相談ください。