【体験談あり】小4の壁とは?乗り越える4つの解決策

                   

子どもが小学校に入学するタイミングで仕事と両立しづらくなる「小1の壁」という言葉が広がっていますが、実は「小4の壁」もあることをご存知でしょうか。

「小4になれば最低限身の回りのことは自分でできるだろうし、子育てがひと段落しそう」と考える人が多いものの、実は小4には小4ならではの悩みが生じます。

今回は、小4の壁について解説します。

乗り越えるための解決策にも触れるので、参考にしてみましょう。

小4の壁とは

小4の壁とは、小学校4年生頃に生じる不安や心配事により、保護者が仕事と家庭と両立しづらくなることを指します。

同じことは小3でも起きるので、「小3の壁」や「10歳の壁」と呼ばれることもあります。

育休から復帰して未就学期間を過ごし、どうにか小学校入学の忙しさを超えたと一安心しても、小4頃に思わぬ落とし穴がやってくる家庭は多いのです。

小4の壁で起きること

ここでは、小4の壁で起きることを紹介します。

自立心の出てくる小4ならではの悩みや、中学入学準備期間に突入する高学年ならではの悩みも含まれているので、確認してみましょう。

地域によっては学童を卒業する必要がある

地域によっては、小4以降の児童は学童を卒業しなくてはいけないケースがあります。

2015年に制度が変わり、小学校在学中の児童であれば誰でも学童に通えるようになったものの、まだまだ受け入れのキャパシティーがなく人数を絞っている学童も多いです。

その場合、鍵っ子が難しい低学年を優先させ、小4以降は別の民間学童もしくはボランティアなどの利用を促進されてしまうケースがあるのです。

問題なく預け先が見つかればよいものの、なかにはちょうどよく切り替えできず鍵っ子になる家庭も存在します。

子ども自身も急激な環境変化に伴うこともあるので、細かくサポートしながら準備していく必要がありそうです。

友達同士の付き合いが増えて親が詳細を把握できなくなる

小4以降は友達同士の付き合いが増えて、親が詳細を把握できなくなりやすいことも問題です。

子ども同士で約束して放課後に集まって遊んだり、友達の家に遊びに行ったりすることも増えるでしょう。

仲良く遊んでいるのであれば問題ありませんが、ゲームやお金の貸し借りが生じたり、相手の家庭の家庭に迷惑をかけてしまったりすることも少なくありません。

些細なことが長期的ないじめに発展することもあるので、いかに親が適切な初動をするかが求められます。

これまで以上に人付き合いの難しさに悩むことを前提に、親子でしっかり話し合う時間を確保したいものです。

反抗期が始まり精神的なサポートが必要になる

小4頃から反抗期が始まる子が多いので、精神的なサポートが必要です。

とはいえ毎日一緒に生活している親にはわざと反抗的な態度を取ったり「試し行動」したりする子もおり、扱いに手を焼くこともあるでしょう。

親自身のコミュニケーション能力や対応力が問われるタイミングでもあり、つい疲弊してしまう保護者も多いのです。

サポートする側の親が孤立してしまわないよう、学校の先生・習い事の講師・ママ友・親戚・地域の人など多数の大人と協力することも欠かせません。

いざというときはしっかり腰を据えて子どもと話せる環境をつくり、サポートしていきましょう。

学力差が明確に出やすくなる

小4になると、クラスでの学力差が明確に出てきます。

これまで積み重ねてきた学習量の差が一気に現れる時期でもあり、「少しだけ掛け算が苦手だった子」が「割り算も文章題も図形も苦手で算数が嫌いな子」になっていきます。

算数だけでなく他科目のレベルも高くなり、「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能を使った相互対話型の授業、答えのない抽象的な問い、学級新聞づくりなど独創性が求められる取り組みが増えることも特徴です。

小4で苦手を意識しても一朝一夕には覆らず、相当な努力が必要になることも多いです。

却って親が焦ってしまい、塾や自宅学習を詰め込んでさらに反発されるなど親子間の齟齬が生じやすいタイミングであることも知っておきましょう。

習い事を希望する子が増える

小4になると習い事をする子が増えるので、「自分も何か習い事をしたい」と希望されるかもしれません。

仕事終わりに問題なく送迎できたり家から近くひとりで通える範囲に教室があったりするのであれば問題ありませんが、親の関わりが必要な習い事もあるので注意しましょう。

特に、スポーツのクラブチームの場合、土日の練習時間に合わせて遠方のグラウンドに子どもを送迎したり、保護者が当番を組みながらお茶や差し入れの準備をしたりすることもあります。

少しマイナーな習い事をするのであれば自宅近くに教室がなく、電車やバスで通う必要が出てくるかもしれません。

中学受験対策が本格化する

少子化が進むとともにひとり当たりの子どもにかける教育費は高くなっており、中学受験を目指す子どもの割合も増えています。

2022年では首都圏において中学受験をする子どもの割合が17.3%となり、過去最高を記録しました。

2000年は13%程度でしたが、毎年右肩上がりで受験率が伸びています。(※)

中学受験を目指す場合、どんなに遅くとも小4からは受験対策を必須とする考え方が広がりました。

これには、小学校でおこなうカラーテストと中学入試の出題傾向が大きく異なることが関係しています。

進学塾では小5までに小学校で学ぶ全ての単元を学び終え、小6以降は志望校ごとの出題傾向や中学受験独特の知識のインプットに時間を割くようカリキュラムが組まれています。

そのため、むしろ小3から受験勉強を始めている家庭も多いのです。

最初は中学受験するつもりがなくても、仲のいい友達の受験率に驚いて自分も影響されたり、進学先の中学校の評判がよくないことを知り改めて受験を検討したりする家庭もあります。

2~3年に及ぶ長期的な受験勉強を乗り切るには親のサポートが欠かせないので、学習進捗をチェックできる体制だけは最低限整えておきましょう。

(※)参考:ダイヤモンドオンライン「首都圏の中学受験最新動向、23年入試も「激化必至」、22年受験者数は過去最高に!」

小4の壁を乗り越える方法

ここでは、小4の壁を乗り越える方法を解説します。

いくつか選択肢があるので、つまずきや悩みに合わせて解決策になりそうなものを選択していきましょう。

自宅近くの習い事を詰め込む

学童を卒業してしまうことや見えない場所での友達付き合いが不安な場合、自宅近くの習い事を詰め込むのがひとつの手段となります。

自宅近くであればひとりで通うこともできるので、親の負担を軽減できます。

子ども自身も夢中になれるような習い事ができれば、精神的に成長してくれるかもしれません。

また、中学受験を検討していなくても塾に通わせて、基礎学力を向上させておくのもおすすめです。

「勉強が楽しい」「解ける問題が増えてきた」という小さな成功体験を積み重ねることができれば、自然と机に向かう子になるでしょう。

民間学童に申し込む

学童卒業に合わせて、民間学童を申し込んでもよいでしょう。

なかには保育園と同じく19時頃まで預かってくれる民間学童もあり、親が仕事に集中しやすくなります。

学童の時間で簡単な理科実験や体を動かすスポーツを積極的におこなってくれるケースもあるので、特徴を比較しましょう。

ただし、民間学童は利用料が高額になりやすく、人気な学童は枠がすぐに埋まってしまうことも多いです。

また、細かな宿題サポートや精神面のサポートをどこまで期待できるかわからず、結局親子の時間が少ないことでさまざまなトラブルが出てくることもあるので慎重に検討するのが理想です。

小4以降も時短勤務を続ける(フルタイムから時短勤務にする)

小4以降も時短勤務を続ける、もしくはフルタイムから時短勤務に切り替えるなどして、無理なく家庭と仕事を両立するのもポイントです。

時短勤務であれば、正社員というポジションを手放すことなく就労時間だけを短縮できます。

中学進学などさらに子育てがひと段落してからフルタイムに戻すというアレンジも効きやすく、パートとして転職するよりキャリアダウンになるリスクを減らせます。

今の会社で小4以降に時短勤務ができない場合、早めの転職を視野に入れて行動するのがおすすめです。

プライベートを重視しやすい会社に転職する

プライベートを重視しやすい会社に転職し、子どもの様子を見ながら働くことも可能です。

例えば、テレワークできる仕事であれば子どもの様子を視界の端に入れることができます。

毎日自宅で子どもを出迎えてあげられたり、友達を呼んで乱暴な遊びをしたりしないよう、最低限の見守りができるようになるでしょう。

フレックスタイム制度を使って習い事の時間に合わせて帰宅するなど、多様な働き方ができる会社が増えているのも事実です。

運動会や発表会のタイミングで有給を取りやすいなど福利厚生が充実している会社もあるので、検討してみましょう。

小4の壁を経験した人の体験談

最後に、小4の壁を経験した人の体験談を紹介します。

失敗談も成功談もピックアップしますので、参考にしてみましょう。

失敗談①:家庭と両立できなくなり退職せざるを得なくなった

これまでどうにかフルタイムで働き続けていましたが、中学受験を期に仕事を辞めました。

平日夕方に開催される塾の進路説明会や個別面談、夏期講習用に毎日昼食と夕食の2つ分作らなくてはいけないお弁当、模試・英検・漢検会場への送り迎え、学校説明会への参加など、想像以上に親の負担が大きかったです。

それほど残業や休日出勤がない会社だったので、学校や塾の宿題サポートだけしっかりできていれば問題ないはずと思っていたものの、小5になる頃には私の限界がきてしまいました。

思い返せば、小4の段階で少し働くペースを落とせていれば無理なく仕事を続けられていたのかなとも感じます。

一度退職した以上は受験までしっかり伴走し、子ども第一の生活を送ろうと思っています。

失敗談②:しっかりサポートできない後ろめたさが続いた

小4になってお友達付き合いが難しくなり、「〇〇ちゃんにいじめられた」「〇〇くんが貸した本を返してくれない」など毎日のように本人から訴えられるようになりました。

どこまで親が出しゃばるべきか手をこまねいてるうちに複数の家庭が絡んで一触即発の揉め事に近い状態になったこともあり、平日の昼から職員室に集まったこともあります。

今もなんとか仕事は続けていますが、「ママはいつも仕事ばっかりで忙しい」と言われてギクリとしたことも。

しっかりサポートできていない後ろめたさが続いているので、そろそろ自分もキャリアとの両立を考えなくてはいけないのかなと感じています。

成功談①:時短勤務を続けて「おかえり」が言える家にした

小3の後半に会社と交渉し、小4以降も時短勤務を続けさせていただけるようになりました。

テレワークできる日もあるので、学校から元気に帰ってきた子どもを「おかえり」と出迎えてあげられるのが嬉しいです。

結局すぐに習い事や友達との待ち合わせに出かけてしまう日も多いですが、何か緊急のことがあればすぐお迎えに行ける今の環境は非常にありがたく思っています。

一度はパートになろうかなとも考えましたが、ゆくゆくフルタイムに戻る可能性があることやスキルアップのことを優先し、時短勤務にしてよかったのかなと感じます。

成功談②:転職して働き方と子育てのバランスを整えた

今の会社は小4で時短勤務できる期限を迎えてしまうので、働き方と子育てのバランスを考えて転職を決意しました。

小3の夏くらいには少しずつ情報収集を始め、転職エージェントのキャリアアドバイザーに手伝ってもらいながら業界分析・企業分析を進めたので、気持ち的にも余裕のある転職活動でした。

結果的に前職より好待遇で内定を出してくれる企業が見つかり、時短勤務を継続しつつキャリアにもつながるような働き方ができています。

まとめ

「小4の壁」はまだまだ認知されておらず、思わぬ落とし穴に驚く保護者が多いものです。

しかし、小4で勉強が難しくなったり反抗期を迎えたりするのも、年齢に合った自然なことだと捉えましょう。

ケアの時間をしっかり確保し、学校の先生や習い事の講師など多くの大人と関わりながらサポートしていくのが理想です。

小4を期に働き方を見直す場合、時短正社員を検討してはいかがでしょうか。

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